原題:『不死身ラヴァーズ』
監督:松居大悟
脚本:松居大悟/大野敏哉
撮影:冨永健二
出演:見上愛/佐藤寛太/落合モトキ/大関れいか/平井珠生/米良まさひろ/青木柚/前田敦子/神野三鈴
2024年/日本
そもそも愛とは何なのか?
意外とストーリーを追うのが難しい作品なのだが、主人公の長谷部りのが幼少の頃に入院していた時に花をくれて励ましてくれた甲野じゅんのことが好きになって、ずっと想い焦がれながら大人になっていくのだが、陸上部や軽音部にいた「甲野じゅん」に告白して両想いになった途端に「甲野じゅん」は消えてしまうのである。
大学生になって出会った甲野じゅんが消えることはなかったが、逆に記憶障害を患っている甲野じゅん自体の記憶が一日しか持たないために、りのとじゅんは毎日「初対面」のような状況に陥ってしまう。
しかし本作がファンタジーであるということを勘案するならば、これはりのが愛に(もしくはキューピッドに)試されているようにも見える。つまりりのの愛によるテンションの高さを諫めるように、愛とは本来空気のようなものではないかとりのは愛に問いかけられているように見えるのである。りのの平穏な「老後」が描かれているのはそのような意味なのだと思う。見上愛が好演している。