ブラッド・ダイヤモンド
2006年/アメリカ
ダイヤモンド・ブラッド
総合
80点
ストーリー
0点
キャスト
0点
演出
0点
ビジュアル
0点
音楽
0点
この作品は事実を元に作られているのだろうが、だからといってダイヤモンドの不買運動が起こるわけでもない。高額のダイヤの指輪を買う人が自分の行為を否定するような映画をお金を払ってまで観に行くということは考えにくい。実際この作品の中でマディーも自分の記者としての非力を認めている。
だからといってこの作品が無意味であるということは全く無い。この作品において私たちはブラッド・ダイヤモンド(=血に染まったダイヤモンド)の物語を観ると同時に、視点(タイトルの見方)を変えることで、ソロモンと彼の息子ディアのダイヤモンド・ブラッド(=ダイヤモンドのように固い血縁)の物語を観ることが出来るからだ(だから敢えてbloodyという形容詞ではなく、bloodという名詞が使われていると思う)。
勿論、人間関係において血が繋がっていなければならないというわけではない。ラストシーンで自分の大量の血を吸い込んだ土を握り締めながら、死に際のアーチャーはマディーに対する愛を感じている。その時不幸な生い立ちのアーチャー初めて愛というものを知ったのかもしれない。‘土’が‘ダイヤモンド’に変わる瞬間を私たちは垣間見る。
反政府組織RUFに誘拐された子供たちを奪い返して教育し直している教師ベンジャミンが、洗脳された子供たちに対する認識の甘すぎる演出などに疑問は残るが、それでも秀作といえるだろう。