MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『3月のライオン』

2017-04-27 00:15:49 | goo映画レビュー

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原題:『3月のライオン』
監督:大友啓史
脚本:岩下悠子/渡部亮平/大友啓史
撮影:山本英夫
出演:神木隆之介/佐々木蔵之介/伊藤英明/加瀬亮/倉科カナ/清原果耶/有村架純/豊川悦司
2017年/日本

将棋に対する情熱のあり方について

 小学生の時に交通事故によって両親と妹を亡くした主人公の桐山零は一人で生きていくためにそれほど好きではなかった将棋の世界に足を踏み入れる。養父になった幸田柾近には娘の香子と息子の歩がおり、2人ともプロ棋士になるために研鑽を積んでいたのであるが、零に勝てなくなり父親からプロの棋士になることを諦めさせられ、関係がこじれたために零は家を出て行くことになるのである。
 零は川本家の3姉妹と知り合いになり家族のように付き合うようになるのだが、姉妹たちの父親の甘麻井戸誠二郎の出現により、零と3姉妹の間に溝が生じてしまう。そんな時に獅子王戦トーナメントの決勝戦で零と対戦する相手は九段の後藤正宗なのであるが、後藤は病気で長期入院していた妻を亡くしたばかりだった。この場合どちらの「想い」がより強いか勘案するならば、3姉妹の親密な関係を失って落ち込む零に対して妻を亡くした後藤にとっては「弔い合戦」の様相を呈するはずで、後編のクライマックスの結果がどうも腑に落ちないのであるが、香子との不倫の罰による結果であるならば、理屈としては通ってはいるが話の軸がブレるように感じた。そもそも零が勝利した時は後藤と香子は別れるという話ではなかったのか?
 例えば、
『ちはやふる』(小泉徳宏監督 2016年)のように競技かるたであるならば、かるたを取るアクションで魅せられもするのであろうが、指先による将棋の駒の移動は余りにも地味すぎたために施されたのであろう「心内語」で相手と会話をするというシュールな演出が成功しているかどうかは微妙である。
 しかし上映時期が悪かったと思う理由は、丁度14歳の中学生の藤井聡太四段が羽生善治3冠に勝った時期で、本作の桐山零とは対照的に藤井が最後までクールに将棋を指していたからである。もちろんそれぞれの環境の違いはあるとしてもやはり事実はフィクションよりも強い。


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