原題：『水上のフライト』
監督：兼重淳
脚本：兼重淳/土橋章宏
撮影：向後光徳
出演：中条あやみ/杉野遥亮/高月彩良/冨手麻妙/高村佳偉人/大塚寧々/小澤征悦
２０２０年/日本
主人公が努力した期間の否みについて
主人公の藤堂遥を演じた中条あやみの熱演には敬意を表するし、コーチの宮本浩を演じた小澤征悦も良い味を出していたことを認めるとしても、ところでこの物語の時系列はどうなっているのかという疑問は生じてしまう。
遥が交通事故に遭ったのはカルテから平成２９年９月９日であろう。その後、図書館で知り合った義肢装具士の加賀颯太が働いている工場に掛かっていたカレンダーは８月で、遥が出場した日本パラカヌー選手権大会は令和元年の９月に開催されているのである。つまり遥が事故に遭ってからパラカヌー選手として日本のトップ選手である朝比奈麗香と競い合うほどになるまで２年かかっており、それは妥当な期間だと思うが、遥が走り高跳びの選手として学校のトップになったのは後輩もいたから彼女が高校二年生でなければならないのだが、パラカヌー選手権に出場する年には彼女は体育教師を目指して大学受験を控えており、何が何だかよく分からないのである。
