ミステリーな森の生活

洋書ミステリー、英語学習、洋画レビューなどから始めましたが、今は、種々雑多(山岳小説、落語など)です。

IN COLD BLOOD(TRUMAN CAPOTE)

2013年12月06日 | 海外ミステリー(洋書)

どこから、何を書こうか。まず、素晴らしい作品だったと
言わざるおえない。

高村薫の冷血を読んで、トルーマン・カポーティの冷血を
読みたくなったのだが、事実は小説よりも奇なりという
言葉がこれほど身にしみたことはなかった。

ノンフィクションノベルの傑作といわれる本作の完成度に
圧倒された。カポーティは、本作を最後に断筆したという。
本作を書くなかで、犯人のために、より優秀な弁護士を
雇い、死刑までの期間が延びたという。しかし、作品を
完成させるためには、死刑で終わるしかなかったのかも
知れない。

精神異常ではないと判断された2人が、4人の家族を殺して
しまう。お金持ちで、金庫があると思って忍び込んだが、
金庫はなく、小額しか手に入れることはできなかった二人。

証拠を残さないためには、殺人しかなかったのかも知れないが、
必ずしも、それが動機とも思えない。

2人の子供時代からの不幸な生活が2人の人格に決定的な
ものを与えたのだろうか。いや、そうとも言えない。
少なくとも、ペリーには遺伝的な要因はあるかも知れない。
兄妹3人の内の2人が自殺したというのだから。

さて、素晴らしい文体という称賛の声がある。驚いたのは、
一人称の私で、いろいろな人が語っているのだ。会話文では
なく、長々と語っているので、少し、混乱してしまった。しかし、
一人称ではないと書けない。そこまで入り込まないと
書けなかったのかも知れない。

また、読みやすい部分と、横道にそれて、読みにくい部分があった。
キンドル本を読んだ後のせいか、辞書を引くのが面倒になって、
辞書を引かずに読んでしまった。

最後の終わり方の文章の美しさが心を惹かれる。

 

にほんブログ村 本ブログ 洋書へ
応援よろしくお願いします

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 基礎英語長文問題精講(中原... | トップ | 2013年私の読んだ洋書ミステ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

海外ミステリー(洋書)」カテゴリの最新記事