「孤高の人」上下巻、約1000ページを一気に読んだ。
こんなに面白い作品は、近頃、読んだことがない。
おそらく、自分の生涯でも、トップ10に入るだろう。
日本登山界に不滅の足跡を残した単独行の加藤文太郎の
生涯を描いているのだが、単に山登りだけでなく、その
人生を描いているという点で、秀逸なのだ。
著者の新田次郎は、加藤文太郎に一度、富士山の測候所で
会ったことがあるという。それが、おそらく、この本を
書かせたきっかけなのかもしれない。
奥さんと加藤を一番良く知る理解者にインタビューをした
というが、よくここまで、加藤の生涯を描き切ったものだ
と関心した。
先に読んだ加藤の著書からくる印象とはかなり違うが、
おそらく、無口な人ほど、著書では饒舌な面があるのかも
しれない。
神戸の六甲山など、若き日の馴染みのある地名も、この本を
面白く読めた理由かもしれない。
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