書評で高い評価であり、エドガー賞受賞作の本作品を読んでみた。
先日、読んだ佐々木譲の「エトロフ・・」と同じく、
真珠湾攻撃の時期を舞台にしているのに興味を持った
のも一つの理由だ。
読んでみて、驚いた。自分のイメージしていたものとは、
全く、違っていたのだが、自分の好みの文体と、好みの
ストーリー展開、見事な結末だったのだ。
近年、読んだ小説の中でも、5本の指に入る傑作と言っても
良いだろう。
ストーリーを簡単に述べると、
1941年のホノルルが舞台だ。そこで、白人男性と日本人
女性の惨殺された死体が発見され、主人公のマグレデイ刑事が
捜索にあたる。
主人公は、やや、ハードボイルドで、陸軍の
狙撃兵も経験した射撃の名手のかっこよさが際立つ。
やがて、犯人の手がかりを追って、香港に飛ぶのだが、
そこで、仕組まれた罠に落ち、投獄される。
そして、日米開戦となり、絶望的な状況になるのだ。
警察小説かと思えば、冒険小説でもあり、歴史小説的な壮大さもあれば、
淡い恋愛小説的な魅力に満ちた作品だった。
次回作もできれば、読んでみたいものだ。
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