めざせ中医学的健康生活

日本人中医師による美容と健康に役立つ情報。「未病を防ぐ」をモットーに心と体の健康を保ち、毎日楽しく暮らせますように♪

大暑と言えば…梅?

2010-07-31 | 中国的
気づけば7月も終わりに

まだまだ暑さは続くようですが,あともう少しで立秋かと思うとそれだけでなんだか頑張れそうな気がします。


留学中は夏休みになると真っ先に帰国していた私ですが,一度だけ帰国せずに同居人のヨッシーと過ごした事があります。

その時に実習をしていた部屋はエアコンどころか扇風機すらありませんでしたが5階だったからか?風通しがよかった事を覚えています。

中国人の実習生に混じり色々と経験出来て楽しい毎日でしたが、中国語に自信のない私にとって憂鬱とも言える仕事の1つが電話に出る事。

電話には近づかないようにしていながらも電話がなる度にドキドキとしていました。

たいてい先生が出るのですが,手のあいてない時は実習生が出ます。

そして実習生の手があいていない時はとうとう私の出る番になってしまいます。

私が話すつたない中国語を聞いてよくもまあ「電話に出て」なんて言えるもんだわ! と思うのですが,言われたら出るしかありません。

そんなわけで何度か電話で対応した事があるのですが… (患者からの問い合わせが多い)

ある時,電話に出ると一方的に「○△○△☆○△☆取りに来て!」と言って切られてしまいました。幸い内容が短かったのでほぼ覚えていたのですが,その内容がまるで呪文か?暗号か?何かの様でマッタク理解出来ません。

それでも必死に何かをつかもうと頭の中で繰り返していると、中国人実習生から「今の電話なんだったの?」と聞かれました。

よくわからないけど「○△○…取りに来て」だって。とオウム返しのように伝えると、

「あー、○△○ね。じゃあ私行って来る」と言ってお湯くみポットを手に取り部屋を出て行くので,あわてて「私もついて行く!」と言って追っかけました。

行った先の小さな部屋には大きな大きなお鍋が2つか3つあって中に茶色っぽい液体がたっぷりと入っています。

ポットを渡すとその液体を注いでくれました。

帰り道に「それ何」と聞くと「酸梅湯よ。暑気払いの飲み物なの。病院側が暑い中お疲れさんってことで用意してくれるの」と答えてくれました。

その一日だけだったのですが、何か特別な日だったのか?(日本の土用の丑の日のように)どうかは残念ながら覚えていませんが、大暑の時期であったろうと思います。

ほんのりと甘く少しの酸味がさっぱりとして飲みやすく美味しかったのを覚えています。

電話ではたぶん「暑気払いの酸梅湯を配るから○○室に取りに来て」といった感じの事を言われたのだと思います。




酸梅湯は中国では大暑の暑さ対策として有名で、いつからかは不明だけど清の時代には広く好まれるようになり西太后も夏には飲んでいたと記録にもあるようです。

烏梅は梅の加工品(いぶしてある)で漢方薬の一つですが、紀元前から酸味料としても使われていて塩とともに最古の調味料と言われています。

日本では手に入り難いですが,一度くらいは自分でも作ってみたいと思っています。


酸梅湯
 烏梅、キンモクセイの花、甘草,氷砂糖、(サンザシ)

1、乾燥した烏梅とサンザシを水で戻す
2、ガーゼで氷砂糖以外の材料を包み強火で煮る
3、煮立ったら氷砂糖を加え,弱火で5~6時間煮る
4、水量が半分程度になったら火を止める



日本では梅のシロップ漬けがあり夏によく飲まれますね。

梅には夏の暑さを乗り切るのに必要なものが含まれているのかもしれませんね。

そういえば以前ある方に「夏はご飯を炊く時に梅干しを1粒と出汁用昆布を入れると食べやすくなる」と聞いた事があり,それ以来夏には時々梅干しを入れてご飯を炊いています。

最近梅干しを口にしていなかった…今日か明日にでも使ってみよう!
コメント
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