
今回、三社祭のベースキャンプとなってくれたザ・ゲートホテル雷門。
実は部屋紹介という記事は、あまり書かないことにしています…。ホテルの客室という空間は、無機質であって、宿泊者ごとに違う舞台となるべきだと、私は思っています、ので。
ただ今回は、ザ・ゲートというコンセプトのくっきりした部屋であったので、このホテルの考え方を知るヒントになると思い、推測できる程度に一部をまとめてみました。
リセプションのある13階の一つ下、12階の角部屋になります。
サービスパーソンが立ち入る可能性のあるドア付近は、細い通路を作り、寛ぐゲストと視線が交錯しない配慮があります。
リビングスペースに踏み入ると、最初に目に映るのは天井から床までの窓。空間が外へ繋がる、光の輝きにうっとりします。昼下がりのチェックインに、美しく映える姿を想定して、これはデザインされたとわかります。
光から目を転ずれば、静かな空間。砂色に陰るペールブルー、されど生命を感じる壁紙はウイリアム・モリス。モルディングが施された先、壁部分もごく薄く青の吹き付け塗装が施されています。
窓際には、包み込むような大きな椅子。オットマンに足をゆだね、スカイツリーと雷門に思いを馳せる、一人の気持ちでの宿りを可能にする椅子が一脚。
リビングには、音響を備えた、コの字組ソファ。硬さがあり、しなだれてしまうことをよしとしない、礼儀正しい寛ぎを感じさせる空間です。カーペットは濃紺、滑るようなしっとりした感覚は、スリッパをぬぎすてる、いけない気分をソソル(笑)。
リビングから寝室部分は、すりガラスを思わせる、シャギィグラスとロッカーで、視線に境目を作っています。
バスルーム・スペースはリビンゲと寝室部分の共用空間からアクセス。独立するが、実は視線の先から、光を遮らない驚きの仕掛けがある。浴室も、トイレも、ブラインドが完備されているが、外へ遥かに拡がる、窓を有する。
寝室は、一段、陰りを増したアズール・ブルー。瀟洒なベッドは、英国スランバー社。馬毛を使ったといういわれは、身体を預けるとわかる…ぐぐっと包み込むようにしなり、抱き取って、支えて揺するかのような、力強さがあって、舌をまく(笑)。お料理をする人なら伝わるだろう…馬の尻尾の毛をはった、わっぱの裏ごしを。あのしなやかな弾力性が、自分を支える感覚。弦を弾く者は、弓の強さとうっとりする弾力性を思えば伝わる。華美な天蓋を必要としない、清潔な充足感のある眠りをもたらすことを考えた選択。
昼間は、遮るもののない光に満たされる空間で。望めば遮光カーテンとブラインドで、青の洞窟に沈み込むことができる空間。
夜間は、カーテンとブラインドをあければ、外からの明かりを映して、水底にいるかのような、静かなペールブルーの世界に溶け込める。
デザインが空間を埋めるのではなく、寛ぎを演出することができるという挑戦を感じる(笑)。
そして、立地空間の狭さを逆手にとり、青の空間から、空への展望をとることで、奥行きを作りだす力あるデザイン。借景を活かした庭園作りのようでした。
このデザインはブリティッシュ・モダン。
実質を重んじ、野の花を愛し、姿勢を正して寛ぐことができる。孤独である意味、人と語らう時間の意味を知る大人のための空間でありたいと願っている。
このホテルのコンセプトは、きっと沢山の可能性へのゲートウェイ。…空に繋がるゲートウェイ。浅草を通しての江戸へのノスタルジック・ゲートウェイ。変わり続ける都市TOKYOへのゲートウェイ。ゲストにとっては、内省する心へのゲートウェイでありたいと願っている…かも。そんなコンセプトを受け取った、印象的な部屋でした。
※この感想は、私個人の感想です。第三者に何等の制約を与える目的で書いたものではありません。
★大型のチルト機構を有する電動車椅子ユーザにとっては、この客室にはアクセシブルと言えない空間配置があります。自走を解除して、介助者による転換を必要とする可能性が有り得ます。
★立ち上がり介助が必要な場合は、こちらの客室のバスルームは工夫が必要です。
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