『長き夜郷里に遊ぶ我が想い胸の騒ぎを如何ともなし』
『なしてだか幼き頃の思い出は明日の事より心に現し』
『今が時限りなきとも思えども既に過ぐるは母の享年』
『我が日々は阿弥陀の伸べた手のシワの谷に居まして草を刈る日々』
『官公のあっては困る無くてもな加減わからぬ力とお金』
『年寄りは孵化した魚の子に近い手持ちを喰えば後は勝手に』
『非営利が上前撥ねるみぎひだり』
『現し夜で三途の川原かくのごと』
きれいに踏み倒されている ミョウガ取りの仕業だ
ここまでやるかと思うものの 山芋の穴は埋めない
独活は根こそぎ タラは芽が無い
ツツジは縮み 百合は消えた
筍の探り掘りで林床も坊主だ
期待する方が無理だが 三途の川原の石積みの気分
積んだ先から鬼が来る
『道普請繋げて見れば意外にも自己満足に満足したり』
『ご褒美は生まれたてなりカニの爪笹竹の地に覗きたるのか』
主要な遊歩道の一角が 今日ようやく接続した
考えていたより 自然な形でハイキングコースに取り付いた
後は 接続点に大きな山桜が竹に埋もれているので
こちらから鑑賞できるように刈り出しを行えば
この地点は完了する
ご褒美だろうか 卵とカニの爪がトレイル脇に出ていた
根室の友からカニはまだ送られてこない
『曼荼羅の葉陰に参る乙女柿』
『寒露柿吸いつ感じる影長を』
『西空のツイッギーかな今日の月』
『霜降もそうこうしつつ早と過ぎ』
柿はユルユルのものが好み だから渋柿がいい
種の周りのゼリー状のところがお気に入りだ
魚の目玉が好みなのと 共通項があるかどうかはともかく
郷里では立春を過ぎた頃から 晴天が続くようになると
朝は雪の上を歩けるようになる
硬いうちに原まで歩いて 緩柿を食べたものだ
ひと冬を樹上で過ごした柿は とてつもなく美味しく感じられた