『バイオバス揚げ物香り走りゆく』
『風に乗りクロイトトンボ尋ねたり』
『風通る生きた心地す森と我』
『風渡る青田撫で来た早苗風』
サーと風が渡り始めた
森の手入れが進むと この一瞬がある
この気分は 山頂に到着した記憶に同じ
唯一のご褒美だ
森もおいらも呼吸が楽になった
なんだか又三郎になったような 錯覚だけど
『日中群れ球追う翁一人でも刈り手に念じ溜息で見ゆ』
『身二つあっても不足夏の草』
かの翁が詠んだような 夢の跡でなく始まりだが
随分 第一章に留まったままだ 読み終えると振り出しだ
作業も「分け入っても分け入っても」の世界
なにせしぶとい
今日も刈る 明日も刈る
去年も刈っていた 勝つことは無いと判ってはいるが