トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

海引こう山曳こう

2016-05-11 | 大震災
 高田松原跡もなし千年経てわたつみ目覚め津波きつらむ
      武隈の松はこのたび跡もなし千年を経てやわれはきつらむ    能因

 陸奥はいづくはあれどしおがまの港寄る船漁果かなしも
      陸奥はいづくはあれどしほがまの浦こぐ舟の綱手かなしも    詠み人知らず

 
 大阿蘇の里は揺れ揺れナマズ魔の宿りて果てぬ大地の稲妻
      風渡る浅茅が末の露にだに宿りも果てぬ宵の稲妻        藤原有家
 
 大地震還らぬ出湯底見えて山の暮らしも裂けて枯れたり
      大堰原かへらぬ水に影見えてことしも咲ける山ざくらかな    桂園一枝

 草千里吹き渡りける初夏の風地割れ走りて牛たたずみし
      天の原吹きすさみける秋風に走れる雲あればたゆたふ雲あり  楫取魚彦