前回、写真のタイプで完結するだろうと思ったのも一瞬で、胴の振り幅が出ない。車軸と胴の蝶番の軸までが短いから円弧の円周は短いのは理解できた。ヘビの時は長くしたのだ。
もう試作するのに飽きがきて関節のない一体型に偏芯輪をつけてみた。望んだ動きでは無いものの動揺は明確である。「これでお終い」と彩色し完成形としたのだが、まだ試みていない工夫が残っている。どうしても確認せずにはおられない心境になり、再々再チャレンジとなった。
車輪カムを大径に作り直して装着すれば非力さは消えるだろうと踏んだのだ。車輪径が変われば軸受の高さも変わる。新しい魚体を作るまでもない「確認」のためなので、木片で埋めた最初の魚体を再加工し組み込み穴を復活させ組み立てる。
結果は車輪が大きくなった事で腹部にカムが作用しない。新しい魚体は作らないと決めていたから、軸受高さの不足分を「コバンザメモドキ」を装着し代用した。これでカムの作用は合格だったが、魚体が大きく重く、そのうえ尾びれの接地抵抗が大きくてエネルギー不足だった。体長を短縮し尾びれの接地抵抗も少なくするために腹部に荷重を分散させればうまくいくように思える。
しかし、この方式で魚を泳がせる事は無理がある事も見え始め、結論としては「撤退」である。垂直軸と直交する左右の二点でカムを作用させねばならないのを、側面全てにカムが接触しているようでは問題外なのだった。
「カム径より体高が小さければ作用する」この明快さに到達できず捲土重来・初志貫徹とこだわり意地を張り合っても益するところが無い、フイルターがかかると原理原則真理さえ見えなくなる。
そう結論が出たら「ホウボウなら大丈夫?、いやいやムツゴロウか…」と元の木阿弥・・・。まあ性分は治らん。