森や林と隣接した水辺を加えたくて一念発起し造成したのが林接池である。ヤナギ林の空間に設えたのだが思わぬ漏水過多で減水が激しい。明確な漏水孔があるわけでも無い浅い林床の地下を漏水している様子なのだ。これでは手の施しようがない。造成した折に胴突きで固めたし法面は叩き板で固めたけれど他の水域環境のようにそれでは済まなかった。
その上、威之志士様の跋扈蹂躙で堤を下げられ満水位になることなく滲みだしていた有様だった。今夏、重い腰を、いいえ痛い腰を上げて上棚側を掘削し拡幅、掘り取った土で堤の上端面を高くした。もちろん胴突きで時間をおいて数回の鎮圧も行った結果法面からの滲みだしは解消されたのだった。
これだけでも漏水の1割や2割を防止したことになるだろうから水位の安定と水面面積の拡大が図られたと言って良い。この行為とは直接関係した事ではないものの今期はタカネトンボの産卵を見ることが出来たし個体も周辺で度々視認できたのだった。このことは言うまでも無く「林接池」を設えた結果であって、苦労のし甲斐があったと言って良い。
この暮れは大量の落ち葉に覆われて静かな冬姿を見せている。この中には何百匹と言うタカネトンボのヤゴが居るのかと思うとシーズンが待たれる。せっかちで我慢が出来ない小生にとっては長い長いトンボのお休み期間なのだ。羽化の季節を迎えるまでに羽化台となる植生を用意しなければならなくなったがカサスゲは席巻し過ぎるから他の植物を考慮したいけれど日陰に強くて丈夫、羽化台に適した草本は何だろうと思っても浮かばない。さしあたりカラムシあたりを移植して様子見か。周囲のネザサが堤まで侵入しても羽化台にはなるけれど、ネザサも席巻を許してはならない植物だから造成部の植生の無さをカバーする算段は本気を出さねばいかんようになった。