トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

今日のエッ!品「南部煎餅の冬イチゴ蘇のサンドと冬イチゴのプレーンクラッカー」

2022-01-02 | 何よりの楽しみ
 この日は雨降りお憑きさん、お約束の一日。予定は確定で前日より準備万端、待つは試食のみである。とは言えいつも通り手際が悪い。スーパーの開店時間を待って牛乳と南部せんべいを買いに行った。これが無くてはこの日のレシピは成立しないのだ。冬イチゴの処理は前日に済ませてある。
 まずは「冬イチゴ入りの蘇」を作る。蘇はいつも通りホットプレートで煮詰めるのだが途中で冬イチゴのシロップを入れた。煮詰まるに従い心配した性状が現れてきたのだ。冬イチゴの酸味成分が蘇の結びつきを阻害して「マグロのツナ」とか細かいフレーク状になりまとまり難い。これではサンドにした時にばらけてしまう心配が出てきた。しかし時は既に遅し。使うしかなかった。
 冷やせば固くなるからばらけ難くなるかとも思い冷蔵庫で冷やしてみたものの、今度は延べて型抜きする時にボロボロしてしまう。レンジの「解凍」モードで温め軟らかさを出してから延ばし型抜きした。抜型が無かったのでドリンク茶の缶を切り、抜型にする。まあ、何とか使えた。

 さて、南部せんべいはそのままだと大きすぎる。紙カップに入る大きさにしなければならないから水と牛乳半々で煮立て軟化させる。これを先ほどの茶缶の抜型で真ん中を抜いた。抜いた煎餅を上下にし間に「冬イチゴ入りの蘇」を挟んで予熱して180度15分焼いて完成。延ばして型抜きした生地は少し縮み見た目が悪くなってしまった。
 焼く前に深皿に余裕があったし蘇も残っていたからプレーンクラッカーのレシピで生地を作りサンドしてみた。色の濃いのが南部せんべいで作ったサンド、淡いのがプレーンクラッカーのサンドだ。この丸いプレーンクラッカーには冬イチゴは入れてはいない。

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 「冬イチゴシロップで作ったプレーンクラッカー」は水は使わず粘度調整に牛乳を少々加えただけの生地である。この生地作り、今までで一番良好だった。まとめるのも延ばすのもラップの間で行った結果、打ち粉も不要で手も汚れず扱いやすかった。まあ、上達したとは言えないまでも色々やって来たからこその結果だろう。

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 最初に焼き上がったプレーンクラッカーを試食してみる。色合いはほんのり桜色で食感は冷えたらパリッとした感じが出て冬イチゴのシロップの風味と甘味は僅かに伝わってくる。「美味しい・旨い」と評価して良いだろう。
 悩みはサンドの方なのだが南部せんべいでのサンドは「ゴマ」と「ピーナッツ」、「ミックス」の三種類があるし、素っ気ないプレーンクラッカーのサンドもある。

 南部せんべいは軟化させくり抜いた事で焼いても柔らかさが残っている。ピーナッツも軟化してパクツと出来るのだけれど前歯の挿し歯が気になって上品な食べ方になってしまった。これは雅な生まれと育ちのためでもあるからしょうがない。奥ゆかしさは堅持しつつも隠すより現れてしまうのだ。「三つ子の魂、百までも」は我が身をもってしても真実であろう。

 評価は「蘇の旨味が際立つから外側はシンプルで良い」に尽きる。でも苦労して手間暇かけた「一回限りのエッ!品」としての甲斐はあったと言える。くりぬいた南部せんべいの外側は「せんべい汁」ならぬ「せんべいミルク粥」として夕食の一膳。食感は麩そのものなので材料を確かめたら「小麦粉」だった。納得。郷土の食材「丸麩」を思い出しながらの夕食だ。
 越後三山は既に厳しい風雪の中に埋もれているはずだ。そして人知れず日々新雪雪崩で山肌に磨きをかけているだろう。小生は7℃の寝室デスクでキーボードに磨きをかけてのお遊び中。何と小さい事か…。
 遅れ馳せながら新年のお喜びを申し上げます。