落ち葉掻き掻き、掻き苦転け

　まあ、葉っぱ踏み踏みなのだけれど枯葉なので心地よい音がするものの滑るから注意が必要なのだ。その上、この日は拠点の斜面の落ち葉掻きでなだらかな斜面なら同一環境だから大きな失敗は薄いけれど段々状になった斜面なので平坦部に油断して掻き集めしていると後ろがおろそかになりやすい。段差の肩を踏み外せば６尺余りを落下する羽目になる。こうなれば骨折の危険は大きいし打ち所が悪ければ阿弥陀様のお迎えがピーポピーポと来ないとも限らん。
　そんな事から見返り美人ならぬ見返り美爺ではあったけれど誰もいない姥捨て山山中の事とて優美な舞の様な掻き姿を知る人はいないのだった。とは言え永田町のお歴々とは異なり越後の雅な百姓生まれで育ちの小生は「恥を知る」卑しからざる人物であるがゆえに「語るに落ちる」事などしない。

　さて、作業は大熊手で掻き寄せ掻き寄せ掻き送りして斜面下の集積場所へ集めるだけなのだから簡単だけれど何より嵩が張るので一筋縄ではいかないのであった。今回は昨季の落ち葉掻きより面積にしてほぼ３割程度減らしたけれど集まった枯葉の量は３割増しと言える量になり集積場所では小山のようになっている。
　おチビちゃんたちにとっては「落ち葉プール」あるいは「落ち葉トランポリン」で歓声ポイントになってしまう場所であるけれどママたちも負けてはおらず潜り込んで「いないいないバアー」などやらかすのだ。今期は１２月も押し詰まっての集積だったから遊ぶのは年明けになろうが、この遊びも痛しかゆしで、せっかく集積した落ち葉を平らかにしてしまうのでそのために山盛りにするとまた崩される。お爺には三途の河原の落ち葉積みに思えてしまうのである。