郷土の基本メニューは米糀と大豆の背中合わせに塩を加え熟成させるのだが、昨秋から何種類か試みて年明けには食べ尽きてしまった。炊きたてのご飯に大匙一杯ドンと載せて食べると幸せな気分になる。「しょうゆの実」で幸せな気分になれる日々・人生など他人様に言える内容は皆無と言う事になるのだがそれはそこ、方便の出番で「武士は食わねど高楊枝」を地で行くしかない。
「制限なし」の世となってもグルメも旅行も無縁でエンゲル係数など出したくもない姥捨て山の孤老なのである。
さて、今回は沖縄の「おみき」を試作するために購入した麦糀が残ったままなのでなんとか消費を考えた。独特の匂いがあって甘酒では好みに合わなそうだから「しょうゆの実」に使ってみる。越後地方とは異なる地域で麦糀のレシピが存在していたのであながちミスマッチではないだろう。せっかくだから塩の代わりに「塩昆布」を代用して試作する事にした。
冷凍麦糀300gは前夜に水を300g加え50℃で10時間加温して戻しておいたものを使う。大豆250g(1袋)はフライパンで乾煎りし外皮が割れた加減で角材をゴリ押ししながら外皮を外しつつ半割にしていく。この過程は水の中で行うやり方も見られたが時間がかかり過ぎる。フライパンの中でゴリ押ししながら「フーフー」と外皮を吹き飛ばせばものの10分ほどで済むのだ。
半割大豆は3倍の水で、この場合は1ℓにしているが圧力鍋で沸騰後は15分中火で加熱して終了。であるから灰汁取りは無く茹でこぼししたのち水道水で冷却を兼ねざっと洗うのみである。
塩分は3%として塩昆布を用いる予定だったが110gほどしか残っていなかった。いくつかのメーカーでも概ね塩分10%程度なのでこれを基準に用意したいのだが10g前後の塩分量では不足だったから荒塩を加え3%で混合する。混ぜ合わせた段階で味見をしてみたが熟成前であるにもかかわらず美味しい。塩分が少ないから常温保存と言う訳にもいかず冷蔵庫での保存だ。
年明けに食べきった「17穀のしょうゆの実」は冷蔵庫保存していたが乳酸発酵が始り酸味も強くなっていた。これでは津軽地方の郷土食「ごど」に近づいた感じもしたのだが納豆菌は入っていないから本質は異なると言えども食味は近くなったと思える「えっ!品」になった。
考えてみるまでも無く日々酸っぱくなっていく食品を食べ続けるなど当世風ではない事ぐらい耄碌していても判断は出来ている。決して「もったいない…」としての利用ではなく変化していく味わいも又楽しみの一つなのである。腐敗と発酵を混在してしまうリスクもあるけれど全てはわが口と体内で終結するのであるから誰憚る事も無い。さーて、今回の新機軸「塩昆布仕立て」はどうなるやら五郎次郎・・・。
混ぜ合わせた段階でまろやかに感じたのは塩昆布に由るのだろう。熟成せずにすぐ食べられる味わいになっている。
「制限なし」の世となってもグルメも旅行も無縁でエンゲル係数など出したくもない姥捨て山の孤老なのである。
さて、今回は沖縄の「おみき」を試作するために購入した麦糀が残ったままなのでなんとか消費を考えた。独特の匂いがあって甘酒では好みに合わなそうだから「しょうゆの実」に使ってみる。越後地方とは異なる地域で麦糀のレシピが存在していたのであながちミスマッチではないだろう。せっかくだから塩の代わりに「塩昆布」を代用して試作する事にした。
冷凍麦糀300gは前夜に水を300g加え50℃で10時間加温して戻しておいたものを使う。大豆250g(1袋)はフライパンで乾煎りし外皮が割れた加減で角材をゴリ押ししながら外皮を外しつつ半割にしていく。この過程は水の中で行うやり方も見られたが時間がかかり過ぎる。フライパンの中でゴリ押ししながら「フーフー」と外皮を吹き飛ばせばものの10分ほどで済むのだ。
半割大豆は3倍の水で、この場合は1ℓにしているが圧力鍋で沸騰後は15分中火で加熱して終了。であるから灰汁取りは無く茹でこぼししたのち水道水で冷却を兼ねざっと洗うのみである。
塩分は3%として塩昆布を用いる予定だったが110gほどしか残っていなかった。いくつかのメーカーでも概ね塩分10%程度なのでこれを基準に用意したいのだが10g前後の塩分量では不足だったから荒塩を加え3%で混合する。混ぜ合わせた段階で味見をしてみたが熟成前であるにもかかわらず美味しい。塩分が少ないから常温保存と言う訳にもいかず冷蔵庫での保存だ。
年明けに食べきった「17穀のしょうゆの実」は冷蔵庫保存していたが乳酸発酵が始り酸味も強くなっていた。これでは津軽地方の郷土食「ごど」に近づいた感じもしたのだが納豆菌は入っていないから本質は異なると言えども食味は近くなったと思える「えっ!品」になった。
考えてみるまでも無く日々酸っぱくなっていく食品を食べ続けるなど当世風ではない事ぐらい耄碌していても判断は出来ている。決して「もったいない…」としての利用ではなく変化していく味わいも又楽しみの一つなのである。腐敗と発酵を混在してしまうリスクもあるけれど全てはわが口と体内で終結するのであるから誰憚る事も無い。さーて、今回の新機軸「塩昆布仕立て」はどうなるやら五郎次郎・・・。
混ぜ合わせた段階でまろやかに感じたのは塩昆布に由るのだろう。熟成せずにすぐ食べられる味わいになっている。