トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

日照の回復

2023-01-24 | 今日は真面目に
 昨夏、クヌギの枝にはびっしりと青葉が茂って林床は心地よい日陰を醸し出していたけれど、そんな事で喜んでいる場合では無かった。数本しかないウワミズザクラに陽光が当たらなくなるのだ。ウワミズザクラも既に開花期を迎えた頃なのに未だに開花しないのは日照不足なのであろう。その上、樹高の割には幹が細いからそうとしか考えられなかった。
 そう理解していて日陰を作るクヌギ二本を除伐しなかったのは他の樹木も多くの葉を茂らせていたこともあり伐倒させる方向空間が手狭に思えて決断しなかったのだ。

 師走からの水域保全作業がようやく一区切りついたので二本の伐採を行う事にし一輪車に道具を山積みして現場に向かう。一本目は目の高さで二股になった重心の捉えどころの無いクヌギなのだが、これはウワミズザクラ側に張り出した幹を除伐するだけに留め片方は残し夏頃様子を見ながら更に伐採するか決める。二又の片方を除伐しただけでもウワミズザクラの成長空間も出来たはずだし日照も回復したはずだと思うからである。
 しかしながらこの伐採は枝の傾きもありロープで伐倒方向制御はしなかったのだが、倒れる途中で周囲の枝と絡んで地上に落ちてくれない。上方にロープを掛けて牽引して落とすと言う手があるけれど周囲の枝と絡み合っているからロープを投げて通せない。結局は「やってはいけない玉切り」作業で下側から切り詰める事にしたのだ。
 最終的には梢部分の数メートルが二股部と二股部が組み合って落ちなくなった。今のところ宙ぶらりんなのだけれど突然落下する心配はないので翌日以降に高枝切りでゴシゴシ切断して落とす事にした。
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 もう一本は真っ直ぐに成長しているから伐倒方向は制御し易いと判断したのだが周囲にはシナノキやクリ、ウワミズザクラが下敷きになる範囲に点在しているから結局は空間が広く他の樹木を傷めない方向にロープで牽引し伐倒した。通路を隔てた向かいのエノキの枝二本を損傷したけれど、この枝自体が空間を求めて通路方向に大きく伸び出していた枝なので後々、枝元を高枝切りで切断すればよい。参考までに伐採長を計ったら15m超あった。さすがに15mともなると威風堂々の感がある。まあ、そうでも無くても威風堂々の最強寒波が来ようとしている寒なのである。

 倒れた樹の枝払いを行い、払った太枝はそのまま落ち葉山の上に被せた。こうでもしておかないと盛り上げた後から崩されるのが経験値で、「落ち葉プール」として使うのも初めは「あり」としても山がある間、崩されるのは堪らない。
 一言断ったり、ひとしきり遊んだ後は元通りにしておくくらいの気遣いは当たり前だと思うけれどまあ、入域して痛めつけると言う姿勢は変わる事は無いだろう。おチビちゃん達には遊んでもらいたいけれど引率する大人の仕打ちから防衛術を工夫したり禁止したりしなければ保全できないのが現実だ。