澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

老猫の旅立ち

2014年11月24日 17時22分10秒 | hobby
 約二十年、家族とともに生活した老猫が、今日の昼、静かに息を引き取った。この数日、エサを食べなくなり、悲痛な叫びを繰り返した後、昏睡状態となっていた。安らかに眠れと…つぶやいた。

 二年前は、こんなに元気だった…。


CHTHONIC(ソニック)の『TAKASAGO ARMY / 高砂軍』

2014年11月13日 20時49分22秒 | 台湾

 さきほど、台湾のロック・グループ「ソニック」(ChthoniC 閃靈樂團)による「玉砕」(Broken Jade)を初めて聴いた。2011年リリースされたCD「高砂軍」の一曲だそうだが、その内容に衝撃を受けた。
 次のYouTube映像を見ていただければ分かるが、「玉砕」は帝国海軍の特攻隊をテーマにした曲で、後半部分には天皇の玉音放送(1945.8.14)が含まれている。日本の音楽業界では全くのタブーとなっているテーマを採り上げ、しかも特攻に命を捧げた日本軍兵士に最大限の尊敬(リスペクト)を示している。



CD「高砂軍」 
Track listing (Songs)
1. 冥河島 / The Island (2:15)
2. 殘枝 / Legacy Of The Seediq (4:21)
3. 皇軍 / Takao (4:19)
4. 震洋 / Oceanquake (3:44)
5. 南十字星 / Southern Cross (3:53)
6. 空 / KAORU (5:38)
7. 玉碎 / Broken Jade (5:43)
8. 歸根 / Root Regeneration (1:24)
9. 大天 / MAHAKALA (4:02)
10. 鎮魂醒靈寺 / Quell The Souls In Sing Ling Temple (5
 

 



 このアルバムの内容については、下記のブログに詳しく書かれていて、なるほどと得心した。


ぴこにゃんの真向勝負~鋼鉄篇~}2013.8.15

今年もまた、8月15日がやってきた。

終戦の日。1945年(昭和20)のこの日、昭和天皇の肉声による「終戦の詔書」の録音盤が、ラジオ放送で再生された(玉音放送)。頭を垂れて聞いていた国民は、帝国の敗北を知った。現代日本を大きく規定するこの事象を、多くの人が偲び、または考え、戦争というものについて思いをめぐらせていることだろう。

ここに、1枚のCDがある。
台湾のヘヴィメタルバンド、CHTHONIC(閃靈、ソニック)の『TAKASAGO ARMY / 高砂軍』。2011年に発表された珠玉の芸術作品だ。魂の激音、そして絶唱。終戦の日を想う心に、容赦なく突き刺さる。

この作品に初めて触れたのは今年の3月。聴き進めるうちに、全身がガタガタと震え、身動きできなくなった。空前絶後の衝撃。
 CHTHONICというバンドが台湾独立派で、ベーシストのドリスがモデル活動も行うキャラの立った存在であることは知っていた。LOUD PARK 10でのライヴでも、優れた音楽を奏でるバンドであることがよくわかった。

メタルバンドとしての根幹には、DEATH、EMPEROR、CRADLE OF FILTH、CHILDREN OF BODOM、MEGADETH、マイケル・アモット時代のCARCASSなどの影響があるように感じられる。上記のバンドが好きなら気に入る音だ。さらに、CHTHONICは二胡、琴、尺八など東洋の響きを用いるのだが、付け焼き刃では決してなく、音楽性の芯にまで入っている。時折入ってくる演歌の調べも良い。音だけでも、他に類を見ないオリジナリティとクオリティを誇る楽団だ。

その上で、彼らが歌い上げる歌詞世界こそが、自身を一介の極東ブラックメタルバンド以上の存在に押し上げている。唯一無二。海外のアーティストなのに、日本人の内面を激しくえぐってくる。こんな音楽には、これまで触れたことがなかった。

『高砂軍』ではタイトルの通り、大日本帝国が台湾を統治していた戦時、先住民族たち(総称で高砂族と呼称)が高砂義勇隊に志願し、南方戦線に向かう史実が描き出されている。終戦後、「旧帝国臣民」の台湾人は、新たな支配者としてやってきた蒋介石率いる中国国民党と衝突する。

日本と台湾の歴史を知る者なら、CHTHONICが歌い上げる『高砂軍』の物語に胸を打たれないはずがない。言うまでもなく、音楽として優れているからこそストーリーも輝く。何も考えずに聴いたとしても素晴らしいアルバムだが、私は日本人なので、様々な感慨が交錯する。時代に翻弄され、命を散らしていった青年たちに感情移入して聴いてしまう。

歴史の詳細については関連書籍をご参照のこと。CDに封入されている前田岳彦氏(BURRN!誌編集者)のライナーノーツでも触れることができるので、ぜひ手に取り、考えていただきたいと切に願う。
アルバム3曲目の「Takao / 皇軍」は、1930年の霧社事件(史実。日本統治時代後期の抗日反乱事件)で両親を日本人に殺されたセデック族の青年が、葛藤を経て「日本人」としてのアイデンティティを獲得し、出征するシーンが歌われている。Takaoとは台湾南部の都市、高雄のこと。打狗(ターカウ)と呼ばれていた当地を、日本が内地の高雄から拝借するかたちで改名したまちだ。歌詞は基本的に英語だが、サビは台湾語で勇ましく歌い上げられる。


「大港起風湧 堂堂男兒欲出征 氣勢撼動高雄 齊開向你我前程」

(嵐吹き荒れる港 覚悟を決めた兵士達 士気の高揚が高雄港を揺らす いざ戦場へ)


この曲のプロモーションビデオでは、頬に民族的な刺青を入れた女性が、和装で登場している。少数民族、日本という当時の「公」、東亜の開放を信じる心、そして見送る側の悲しみ。さまざまな要素が映像に表れている。

帝国陸軍は、台湾の先住民族が森林戦に長け勇敢であることに着目し、南方のジャングルで活用しようとした。志願兵の倍率は400倍を超えたという。歴史好きにはよく知られた話だが、彼らは実際に活躍し、日本人兵士たちから尊敬を受けたと語り継がれている。戦死率も高かった。

アルバム6曲目「Kaoru / 空」は、特攻隊「薫空挺隊」について歌われている。当時の戦局から大いにありうる話だが、恥ずかしながら、このアルバムを聴くまで高砂義勇隊の特攻があったことは知らなかった。皆、普通の若者だったはずなのに、戦場はひとつの生命を肉弾兵器に変えてしまう。

私は以前、台湾で生まれ育った女性に話を伺ったことがある。大戦末期の1945年、彼女は当時14歳で、自宅近くの料亭に特攻隊員たちが下宿していたそうだ。「神様みたいな人たちだと思ったら、普通の優しいお兄さんだった」。一人の若者と恋におち、プラトニックな交際を重ねた。しかし、「ある日突然いなくなった」。沖縄に出撃したのだ。さよならも言えなかった。彼女は戦後、同じ部隊の元特攻隊員と結婚。夫は「なぜ、自分だけ生き残ったのか」という悔恨にさいなまれ、そこから自由になることは亡くなるまでなかったそうだ。病没した彼の辞世の句には、「俺も行く」といった内容の言葉がしたためられていたという。


アルバムのクライマックスとなる7曲目「Broken Jade / 玉碎」では、昭和天皇のスピーチが入ってくる。玉音放送。当時の日本人(台湾人も含む)が頭を垂れて聞いた、あの声だ。

これは、日本のバンドでは実現できなかっただろう。様々な意味で。
何故か。それは、日本人自身が先の大戦を総括できていないからだ。

戦争という国家の政策について「大東亜戦争」として語れば右、「太平洋戦争」として語れば左と簡単にレッテル貼りをしてしまう。これは思想的貧困である。史上最大の負け戦を当事者として担った影響は、こんにちの現実社会にも及んでいる。社会一般において戦争の総括ができていないから、いまだに揉める。

きょう、靖国神社に3閣僚が参拝し、大きく報道された。参拝の是非は別にして、日本人が今もなお戦争の呪縛のもとにいるわかりやすい例ではある。しかし残念ながら、本邦の「戦争を語る土壌」は、終戦から68年が経過しているのにも関わらず、いまだに熟していない。軍人目線で見れば右、反戦目線で見れば左。ほんの少しでも勉強すればわかることだが、そんな単純なものではない。

そのような中、CHTHONICは、台湾人が帝国軍の「当事者」だからこそ、戦争のストーリーを心の深いところに訴えることに成功した。物語を音楽に落とし込む上で、もっとも適した表現形態がブラックメタルだった、とすら思える。無慈悲な暴虐サウンドと、冷徹な美しさの双方が要求されるジャンルだが、そこに二胡や琴の幽玄な響きが加わることで、音楽としての完成度が劇的に高まった。

アルバムの終幕を飾る「Quell The Souls In Sing Ling Temple / 鎮魂醒靈寺」では、台湾にやってきた中国国民党との凄惨な戦いが描かれている。「元日本人」の台湾人たちは、何を想ったことだろう。物語の主人公は、迫り来る死を前に、日本語で叫ぶ。

「ただ正源が鬼神と戦ひ 哀しき運命(さだめ)の輪廻を断つを求む」
 

  CHTHONIC。これほどまでに知的好奇心を刺激してくれるバンドは、他にいない。今年の5月には、ニューアルバム『Bu-Tik / 武徳』も発表された。新作では、国民党の恐怖政治下における台湾の民主化について歌われている。こちらも壮絶だ。彼らの今後の活動に期待したい。

 
そして最後に。ここまで書いてきて、強く思う。本来、日本のバンドが『高砂軍』のような芸術を生み出さなければならないのだ、と。

 
台湾出身の優れたバンドだからこそ、CHTHONICは「史上最大の負け戦」をアートに昇華できた。では、日本のバンドはどうか。これほどの作品を生んだ例は、まだない。

  メタルでも、パンクでも、フォークでも、ヴィジュアル系でもいい。しかし、日本社会がそこまで成熟しているかどうか。残念ながら、否。繰り返すが、これは思想的貧困だ。日本のバンドによる、目が眩むほどの強烈な芸術を、私は心待ちにしているのだが。




Takasago Army 高砂軍 by Chthonic
 
Fontana Universal




また何かを、「棚に上げる」 日中首脳会談

2014年11月11日 10時31分40秒 | 中国
 昨日の「日中首脳会談」について、「太陽の党」西村眞悟・衆院議員が『また何かを、「棚に上げる」』という一文を記している。(「眞悟の時事通信」11月10日)

 西村眞悟議員は、筋金入りの国粋主義者、一般には右翼と言われる人。それ故、自民党の世襲議員や口ばかりの民主党議員は到底敵わない一貫した論理を持っている。だがもし、西村氏の主張通りに日本外交を進めたら、中韓両国の思う壺。日本軍国主義の復活と喧伝され、米国からも「戦後秩序の遵守」をきつく迫られることになるだろう。現実の外交は、権謀術数、陰謀・謀略あるいは妥協の産物であるから、一方的に果実を得るためには、軍事力を行使しなければならない。それがいかに危険な選択かは容易に想像できる。

 忘れっぽい我々は、「朝日新聞」の「従軍慰安婦捏造問題」をすでに水に流そうとしている。調子に乗った「朝日」は、日中首脳会談についても、習近平が目を合わさないのは、安倍首相の政治姿勢に問題があるかのような記事も書き始めた。捏造記事の「検証」が完了しないうちに、朝日特有のあの「ご高説」が復活したのだ。読者を見下していなければ、こんなことはできないはずだ。

 西村氏のこの一文は、何でも曖昧に、棚に上げてしまう、我々の習性に警鐘を鳴らしていて、納得できるところが多い。
 ここに引用させていただく。


また何かを、「棚に上げる」
                 西村眞悟       平成26年11月10日(月)

 私は、かねてより言っていた、
 安倍総理の最大の外交的功績は、総理就任以来、日中首脳会談をしていないことだ、と。

 とはいえ、本日の午後、二年半ぶりに日中首脳会談が北京で行われると聞いている。
 そこで、会談が終われば、どうせいつものように、
 日中和解ムードが垂れ流されるのであるから、その前に言っておく。

 三十六年前の一九七八年(昭和五十三年)八月十二日、北京で日中平和友好条約が締結され、
 十月二十二日から二十九日まで、東京での批准セレモニーに出席する為に小平が中共首脳として初めて我が国を訪問した。
 そして、朝野は「日中友好」一色になった。
 その結果、我が国は、
 世界最大の「反日国家」と「核ミサイル大国」を生み出す世界最大の資金拠出国となった。
 即ち、「日中友好」は、我が国と東アジアの最大の脅威としての共産党独裁国家を生み出す高速道路であった。
 
 そこで、この危険な「日中友好」ムードが生まれる直前の条約締結交渉の最中に何があったかを思いだそう。
 この直前、遙か南西海域の東シナ海尖閣諸島周辺に、突如、イナゴの群れのような中共の漁船が二百隻以上出現し、傍若無人に我が国領海内を走り回った。
 もちろん、尖閣は中国固有の領土であり、その海域も中国の海である、日本のものではない、というのが中国漁船の言い分である。
 福田内閣は、困惑して腰を抜かす。
 すると、小平が、ニコニコ笑って、尖閣は「棚に上げよう」と言った。
 同時に、中国漁船が尖閣周辺からさーっと姿を消した。
 これが、棚に上がった効果だった。
 福田内閣は、ほっとして、「棚に上がった」ので安心した。

 しかし、考えてみれば、自国の領土を他国に「棚に上げ」られて「安心する」馬鹿が何処にいる。
 案の定、その結果はご承知の通りだ。
 中共は、我が国の援助で国力と軍事力を蓄え、勝手に尖閣を「棚から下ろし」、
 現在、漁船ではなく駆逐艦仕様の政府の「公船」で連日連夜、尖閣周辺領海を侵犯している。即ち、何時でも尖閣を武力で呑み込む体制を既成事実化した。

 では、この度の久方ぶりの「日中首脳会談」が為される直前の現時点で何が起こっているのか。
 我が国の東方海域、即ち、小笠原や伊豆諸島周辺の海域つまり「西太平洋」に二百隻以上の中国漁船が出現し、しつこくサンゴを奪っている。
 その上で、中共側は、首脳会談の下交渉で、
 安倍総理が靖国神社に参拝しないことと尖閣諸島の領有権問題を認めることを日本側に強く求めている。
 これに対して、日本側は、「若干の認識の一致をみた」とすると共に、小笠原周辺の中国漁船を何とかして欲しいと、中共側にお願いしているという。
 そして、本日午後に、首脳会談が行われるという次第だ。

 この「若干の認識の一致をみた」であるが、我が国外務省は自画自賛しているので言っておく。
 中共の外務大臣は、「若干の認識の一致をみた」上で、我が国外務大臣に、
「日本は正しい歴史認識を持ち、過去の侵略行為と訣別すべきだ」と堂々と言っておるではないか。
 従って、我が国外務大臣も、「若干の認識の一致をみた」上で、
「安倍総理が、靖国神社に参拝することに中共がとやかく言う筋合いではない」、また、「尖閣は完全に我が国固有の領土である」と堂々と言うべきである。
 こう言っておかなければ、安倍総理が本年や来年初頭に、靖国神社に参拝しなければ、中共に「安倍は、中国の意向に従った」と言う口実を与える。

 要するに、我が国は、
 「尖閣は我が国の固有の領土である」、「安倍総理は靖国神社に参拝する」とはっきり、
繰り返し繰り返し、朝から晩まで、中共に伝達するべきであり、
 中共に首脳会談を受け入れるならば、「若干の認識の一致をみた」と言わすべきなのだ。
 逆ではないか。

 さて、「棚に上げる」であるが、
 三十六年前と同じように、何かが「棚に上げられる」と思わざるを得ない。
 それは、何かー?
 それは、尖閣よりもはるかに広大な西太平洋だー! 

 何度も書いているように、我が国は無防備な長いお腹を、西太平洋に向けてさらしている。
 西太平洋を制圧するものは我が国を制圧できる。
 七十年前、敵がサイパンとテニアンを制圧して我が国本土を爆撃圏に入れ西太平洋の海空権を奪った時点で、
 我が国の敗北が決定した。西太平洋とは、我が国にとって、国家の存立の懸かった海だ。
 そして、この度、我が国が首脳会談で「お願い」した結果、
 小笠原・伊豆諸島領海・排他的経済水域から中国漁船が出て行くかもしれない。
 しかし、我が国は、それ以外の広大な西太平洋に、中共の軍事力が既成事実として存在し続けることを受け入れる事態になる。
 従って、「棚に上がる」恐れがあるのは、我が国の西太平洋におけるプレゼンスである。

 このことは、我が国のみならず、アメリカにとっても重大なことである。
 七十年前は戦略爆撃機B29の航続距離が問題であった。
 しかし、現在は、SLBM(潜水艦発射型ミサイル)の射程なのだ。
 中共は、西太平洋に原子力潜水艦を遊弋させれば、他国(ロシア)の領空を飛ばずに、
 直接ドンピシャリ、アメリカのニューヨークやワシントンを核弾頭ミサイルの射程に入れることができる。

 以上の通り、中共は、尖閣だけを狙っているのではない。東シナ海と西太平洋を狙っているのだ。
 そして、我々は、この度、西太平洋に新しい事態が仕掛けられつつあると知るべきである。
 よって、
「日中首脳会談が二年半ぶりに開催された」、
「世界第二位と第三位の経済大国首脳の会談と緊密な関係構築は意味がある」、
 というようなありきたりの評価に惑わされてはならない。

 我が国は、早急に西太平洋のプレゼンスを高めるために、
 海空軍力の強化を開始しなければならない。
 
 同時に、国民の正確な地理的認識が国家の存立の為に必要なのであるから、
 まずこれからは、
 NHKや民放の天気予報の際にTV画面に掲げられる日本の地図は、
 南はフィリピンから北はカムチャッカ、
 西はチベット高原から東はサイパン・テニアンのカロライン諸島、
 までを、常にTV画面で、毎日国民が眺められるようにしなければならない。








アクセラに搭載  Bose(ボーズ)のサウンド・システム

2014年11月09日 09時21分47秒 | hobby
 マツダ・アクセラ・ハイブリッドには、Boseのサウンド・システムが付いている。ネット上では、このサウンド・システムについて、「低音がもやもや」「大したことはなかった」などネガティブな書き込みも多く見られたので、本当のところはどうなのか、オーナーになって初めて試してみた。

 アクセラ・スポーツ(ディーゼル・ターボを含む)、アクセラ・セダン(ハイブリッドを含む)には、Boseのサウンド・システムが装着されている。(一部は、メーカー・オプション扱い)
BoseのHPには、次のようなサウンド・システムの配置図が掲載されている。



 アクセラには、Boseの音響空間を構成する9個のスピーカーが配置されている。車のサイズによって、この数字は変わるようで、日産のスカイラインには、13個が搭載されている。

 まず、DVDとTV音声を聴いてみる。TVのCM音声は、重低音を伴ったものが多いが、これが驚くほどリアル。「もこもこした低音」などではなく、まさにBose特有の重低音だった。
 次に、USB音源でいろいろなジャンルを聴く。最新のポップスやロックは含まれていないので、TV音声で確認できたような重低音は、あまり含まれていない音楽だ。

 まずマントヴァーニ楽団のCD。これは「ユーキャン」発売の「華麗なるマントヴァーニの世界」(CD10枚組)の一枚。 このCDは、デッカのオリジナル音源を加工せず、そのままCD化している。その聴き慣れたマントヴァーニの音楽がどう再現されるか、とても興味深かった。
 1960年代のアルバム(LP)から編集したCDなので、もともと低音域の成分は少なく、カスケーディング・ストリングスと呼ばれる高音部の弦が特徴的。このBoseサウンド・システムは、その本来の音を過不足なく再現していると感じた。

 次に、アリシア・デ・ラローチャのピアノ独奏曲集。これも古い録音だが、ピアノの音は、きれいに収められている。Boseは、そのピアノの粒建ちと、音響空間をよく再現していた。

 その他には、オケによる映画音楽、ギター、ピアノなどのインストルメンタル、ジャズ・ヴォーカルなどを試聴。どれも期待通りの音響を再現した。

 このサウンド・システムが「マツダコネクト」(通称「マツコネ」)と連動しているから、音が悪いのだという見解もあるが、それは見当違いというものだろう。イコライザーが付いていなければ、「いい音」が出ないと言う人は、おそらくクラシック音楽などのアコースティック(PA装置を使わない生の音)音楽に馴染みがない人だろう。アコースティックな音楽に親しんでいれば、このBoseには十分満足出来ると思う。

 このBoseのサウンド・システム、8万円前後だったはず。後付けは出来ないので、マツダ、日産車(スカイラインなど)を購入時、オプションで選べる設定になっているのなら、検討する価値は十分にある。
 

 今や死語になった「オーディオ歴」が、ウン10年にもなる私だが、ホンモノのカー・オーディオ装置に初めて出会ったという思いだ。