マントヴァーニ楽団の楽団テーマ曲(Signature tune)である「
シャルメーヌ」。古い映画音楽だったが、1950年代になって
ロナルド・ビンジ(Ronald Binge)が考案した「
カスケーディング・ストリングス」※という編曲を用いて、マントヴァーニ楽団が演奏し大ヒットした。
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http://members3.jcom.home.ne.jp/torumonty/sub1.htm
マントヴァーニ楽団の演奏は、軽音楽(Light Music)に分類され、クラシック音楽ファンからは軽く見られた。だが、その音楽は、まったくクラシック音楽そのもの。楽器編成は交響楽団の半分程度だが、アコースティック音響に徹している点では共通。
「カスケーディング・ストリングス」は、弦(バイオリンとビオラ)を四つのパートに分けて、それぞれのパートが音をずらして演奏するという手法。PAなどの電気的処理を使わず、編曲手法によって「エコー効果」が生じるというもの。
レコードで聴くマントヴァーニ楽団の「シャルメーヌ」は、素晴らしいの一語。しかし、マントヴァーニ楽団(マントヴァーニ死後の名ばかりの楽団)が実際にコンサートで演奏した「シャルメーヌ」は、レコードとは似ても似つかぬものだった。
YouTubeで見つけた二つの演奏は、対照的。The Independent Mantovani Orchestra(英国でコンサート用に臨時編成された楽団)とBBCコンサート・オーケストラ(BBC放送に属する常設の楽団)の演奏は、明暗クッキリ、雲泥の差という感じ。
BBCコンサート・オーケストラの方は、マエストロ・マントヴァーニが聴いても納得する演奏だろう。
たかが「軽音楽」「ムード音楽」と侮る事なかれ。実は、意外に奥深いのだ…。
【マントヴァーニ楽団によるオリジナルの「シャルメーヌ」】
【The Independent Mantovani Orchestraの演奏】
【BBCコンサート・オーケストラの演奏】