澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

NHKの卑劣さを知った~この1年の回顧

2009年12月31日 12時03分06秒 | マスメディア

また1年が過ぎようとしている。あまりにも速い…。

ただ、この1年間には忘れられない出来事もいくつかあった。そのうちのひとつが、NHKの正体を知ったこと。
4月5日に放送された「プロジェクトJAPAN」の第1回「アジアの”一等国”」」は、日本の台湾統治を採り上げ、台湾総督府の機密文書を何万点も読み解いたというふれこみだったので、大いに期待した。だが、その実態は、「プロジェクトX」以来NHKに根付いた「こけおどし」の手法と恣意的な資料の選択による「反日・媚中」番組だった。特に右翼でも何でもない私でさえも、「日台戦争」「人間動物園」という「日台関係を理解するためのキーワード」を知って、唖然とし愕然とした。「未来を読み解く鍵は歴史の中にある」(「プロジェクトJAPAN」のキャッチフレーズ)とはよくぞ言ったものだ。まるでブラックジョークではないか。

時は流れ、世代は移り変わる。国家観も歴史観も変わることはありうる。だが、「国営放送」たるNHKがかくも”偏向”した番組を制作するとは思っても見なかった。私自身、民放の時間つぶしのような番組よりも、NHK特集などのドキュメンタリー番組を好んで見ていたのだ。「アジアの”一等国”」の放送後、私は、NHKのドキュメンタリー番組をより注意深く見るようになったが、同じ「プロジェクトJAPAN」の一環である「日本と朝鮮半島2000年」などもひどい”偏向”番組であることに気づいた。

一昔前、”偏向”番組といえば、保守的、反動的な内容で、憲法第9条の”平和主義”に逆らうものだとか、”軍国主義”化を助長する内容だとか非難されたものだが、現在は全く違う。NHKの報道姿勢について言えば、「中国はひとつである」という中国側の主張をそのまま受け入れ、その中国に対し日本は非道な行為の数々を行ったのだから反省しなければならない…こういう態度で番組を制作しているのだ。だが、中共(=中国共産党)政権が主張するような版図で「中国がひとつ」だったことは、歴史上一度もないのだ。にもかかわらず、NHKは中国の主張そのままを取り入れて、「アジアの”一等国”」のような番組を通じて国民を教化しようとするのだから、どこの国の放送局かと言われても仕方ない。これは、鳩山首相の「友愛外交」、小沢一郎の「中国詣で」と軌を一にするものだ。時の政治的権力に迎合するNHKの卑劣さが際だったと言えるだろう。

今年、中国側の御用学者であった安藤彦太郎・元早大教授が死去した。もはや誰も振り向かない人であるが、私はあえてこの人の生き様について触れた。
http://blog.goo.ne.jp/torumonty_2007/e/557411245f47bb9647a3bdf880a33687

こういう手合いが、大学人として”日中友好””日本の戦争責任”を唱え、学生達を扇動してきた責任は大きい。安藤は何の学問的業績も残さなかった人だが、早大卒の”親中”派マスコミ人を数多く培養した。中国と台湾の区別さえ付かなくなった人が増えている昨今、このままでは中国が台湾を併呑する日は近い。
安藤は草葉の陰で「してやったり!」とほくそ笑んでいることだろう。

歳をとって思うのは、ひとつの主義主張(安藤の場合はマルクス主義)や宗教を確信的に信じている人は、始末に負えない。目の前の現実さえ、自己流で解釈してしまうのだから、盲目も同然なのだ。私は、安藤のような「進歩的文化人」とはそういった人たちだと改めて了解した。

今日は大晦日。NHKの「紅白歌合戦」の会場前で、NHKに対する抗議運動も行われるようだ。遠い島にいる私は出かけられないが、ぜひ、多くの方々に参加していただきたいと思う。

 

【参加を】本日大晦日は紅白歌合戦の会場前でNHK解体運動 -そして外国人参政権阻止行動も

ブログでは関連写真も↓
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1003.html

大晦日の第六十回NHK紅白歌合戦では応募した視聴者も審査員を務めるらしい
が、その日我々は会場であるNHKホールの前で、NHK自体を「審査」する。

つまり、今年四月の「JAPANデビュー」の歴史捏造、印象操作に端を発した
NHK解体運動をこの日も行うのである。

当日はNHKの職員の人々には問題の深刻さを知らせたいし、会場を訪れる観客
にも問題の所在を知ってもらいたい。

せっかくのお祭り気分が壊されると怒る職員がいるのなら、有害、卑劣な捏造情
報を全国視聴者に押し付けながら、恬として恥じない番組担当者、そしてそれを
擁護する福地茂雄会長を怨むべきだ。

朝日新聞社は珊瑚落書きの虚報事件で下手人のカメラマンをクビにし、社長にも
引責辞任させたが、それに比べて自らの非すら認めず、逆に抗議する人々こそ「
謝った情報」に従っていると公に言い放つNHKの姿勢は、どこまでも視聴者、
国民を裏切るもの。そのような公共放送から国家、社会を守るため、年末であろ
うと運動は行われるのだ。

年明けにはNHK集団訴訟の口頭弁論も開始されるから、そうした新局面に向け
ての「予告」運動ともなるのではないか。

なお、NHK放送センター前での行動に先立ち、渋谷駅前で外国人参政権法案に
反対するための街宣行動もある。

こちらもNHKの反日放送とは根が同じで、流れも同じ問題であり、日本の転落
が加速される中、心ある国民にはもはや大晦日も何もないと言った感じである。

下記の要領につき、奮って参加を!

--------------------------------------------------------------------------------

■外国人地方参政権 絶対阻止! 街頭宣伝活動 / NHK 「JAPANデビュー」 に抗議
する街頭宣伝活動

12月31日(木)※ 雨天決行!
 
13時00分 外国人地方参政権 絶対阻止!街宣活動  於・「渋谷」駅ハチ公前広

15時30分 NHK 「JAPANデビュー」 に抗議する街宣活動  於・代々木公園けや
き並木
17時30分 明治神宮へ移動、参拝

※ プラカード、幟、旗等の持参大歓迎!

主催    「NHK 『JAPANデビュー』」 を考える国民の会 ほか


「海角七号 君想う、国境の南」インタビュー

2009年12月29日 16時25分29秒 | 音楽・映画

台湾映画「海角七号 君想う、国境の南」は、12月26日ロードショー公開された。
当日は、主演の氾逸臣・田中千絵が舞台挨拶し、民主党の蓮舫議員もかけつけたようだ。

『海角七号』ファン・イーチェン、田中千絵インタビュー

『『海角七号』ファン・イーチェン、田中千絵インタビュー』
主人公のアガを演じたファン・イーチェン(右)と友子を演じた田中千絵(左)




『『海角七号』ファン・イーチェン、田中千絵インタビュー』 『『海角七号』ファン・イーチェン、田中千絵インタビュー』 『『海角七号』ファン・イーチェン、田中千絵インタビュー』
田中千絵 ファン・イー… 「海角七号/…

[ムビコレNEWS]  2008 年8 月に台湾で公開され、台湾で上映された同国映画としては歴代1位、外国映画を含めても『タイタニック』に次ぐ歴代2位の大ヒットを記録したのが、この『海角七等/君想う、国境の南』だ。

敗戦後まもなく、台湾から日本へと戻る引き揚げ船に乗っている若き教師。彼は日本に着くまでの7日間で、台湾に残してきた恋人への尽きせぬ想いを手紙に綴っていた。一方、60年後の現在、郵便配達をしているアガは、今は存在しない「海角七号」という住所宛に届けられた小包を見つける。中には7通の手紙が入っていた。それこそが、日本人教師があの船の中で、恋人の友子宛に綴った手紙だったのだ……。

手紙入りの小包を見つける主人公の阿嘉(アガ)役を演じるのは、台湾のポップスター、ファン・イーチェン。日本から働きに来ていて、アガと反発し合いながらも恋に落ちていくヒロインの友子役に、この映画の大ヒットでアジアのスターに躍り出た田中千絵。2人に初対面の印象や撮影の裏話、そして、この映画と出会ったことで変わったことなどを語ってもらった。

[動画]『海角七号/君想う、国境の南』 ファン・イーチェン、田中千絵インタビュー

──2人はこの映画ではじめてお会いしたそうですが、初対面の印象は?
田中:『海角七号』がクランクインする前、リハーサルがあったんです。そこではじめて会ったのですが、まず感じたのは、アガという主役のイメージそのままの人だなってことです。
 最初は、すごくクールな人だなって思っていました。あんまり喋るイメージもなくて。でも、撮影に入ってからは、ものすごくユーモアのある人で、音楽の才能にも長けているし、本当にアガという青年がそのまま現れたっていうイメージでした。
ファン:僕はそのリハーサルの場所でお会いするまで、この映画のヒロインってどんな人なのかな? 噂では日本の女性って聞いているけどと、ずっと期待していたんです。そしたら田中さんが階段から降りてきて、「うわー、すごい、きれいな人だな」っていうのが最初のイメージですね。

──2人で一緒に演技レッスンも受けたそうですが?
田中:映画が資金難になって、クランクインが半年間、伸びてしまったんです。そこで私が先に、演技レッスンを受けていたんです。OLさんみたいにクランクインまでの間、毎日、事務所に通って、『海角七号』の中国語のセリフなども教わっていました。その後、クランクインが決まって、撮影に入る1か月くらい前から、特別にこの映画のためにレッスンをという形になって、ファンと一緒に受けはじめたんです。
ファン:レッスンでは、先生からテーマを与えてもらって、そのテーマについて、きちんと準備し、先生の前で演じてみせるというのが主な内容でした。今でも覚えているテーマの1つが、映画本編にもあるのですが、田中さんに歌って聴かせるシーン。そして、もう1つがキスシーンです。
田中:私に歌って聴かせてくれるレッスンは、すごく大変だったと思います。先生はもともとミュージシャンで、この映画では音楽が1つの大きなテーマでもあるので、彼が私に歌を聴かせ、私が本当に心から感動したら手を繋いでって言われたんです(笑)。楽曲も彼が自分で選んでくれ、ギターもわざわざ家から持ってきてくれたのですが、私が本当に感動して、彼の手を握るまでにすごく時間がかかっちゃったので……。
──すぐに手を握ろうとは思いませんでした?
田中:この映画にとって、彼が演じるアガと私が演じる友子という役は本当に重要なので、そこら辺はきちんと心から作っていきたいなと思ったんです。
──ファンさんはそのとき、どうしてすぐに手を握ってくれないんだって思いませんでした?
ファン:お会いしてまだ時間が経っていなかったので、親しくなっていないのが原因かなとは思っていました。
──それでキレかかったりはしませんでした?
ファン:自分のせいかとも思いました。自分の歌に感情が入っていなくて、感動してもらえないのかと。

──では、キスシーンはどうでしょう? どっちがリードしていましたか?
ファン:本番では僕がリードしました。なぜかというと、そのシーンは、まず友子が手を繋いでくれ、それがきっかけで、僕が演じるアガが主導権を握るからです。
──うまくリードしていただきましたか?
田中:はい(笑)。

──この映画は、届かなかったラブレターが重要なアイテムになっています。2人はラブレターを書いたことがありますか?
ファン:もちろん、書いたことはあります。17歳のときに告白のためにラブレターを出したのですが、告白なので、特に深い内容は書いていないです。
田中:私は高校生の時に書いたことがあります。でも、書いたことよりも、幼稚園のときに男の子からもらった思い出がすっごく強くて(笑)。内容は覚えていないんですけど、幼稚園のときにラブレターなんて、そんなによくわからないじゃないですか。まわりで幼稚園の先生がキャーキャーと騒いでいて、それがすごく印象的でした。

──この映画はアジア中で大ヒットしました。ヒットを受けて人生は変わりましたか?
ファン:変わったことは多いですね。自分は歌手としてデビューして、歌手活動しかしてこなかったのですが、この映画の大ヒットで、たくさんの方にファン・イーチェンという名前を知ってもらえました。注目されたことは僕の人生のターニングポイントになっていると思います。
田中::私も大きなターニングポイントになったと思います。16歳のときに日本でデビューし、映画やドラマに出演してはいたのですが、『海角七号』という素晴らしい映画に出会えたことで、映画界のスタートラインに立たせてもらえました。この作品を通して、私もアジア映画からのオファーが多くなりましたし、日本以外でも大勢の方が、私のことを知っていてくださる。この映画には「夢をあきらめてはいけない」っていう1つの大きなテーマがあるのですが、そのテーマを改めて感じさせてくれたのが、この映画でもあります。

──最後に読者に向けて、メッセージをいただけますか?
ファン:みなさん、こんにちは。ファン・イーチェンです。この映画は家族揃って楽しめる映画です。この時期は寒いですが、劇中、夏の風景がたくさん出てきますので、この映画を見て、温かく感じてもらえると嬉しいです。
田中:はじめまして、田中千絵です。私は『海角七号』でヒロインの友子という役を演じています。私もそうですが、友子も1人で台湾に渡り仕事をしていて、見た目はすごく強そうな感じなんですが、結構、弱い一面もあったり、本当にかわいらしい女性です。『海角七号』は音楽、夢、そしてラブストーリーと、国境を越えて、人が普遍的に持っているテーマが、たくさん描かれています。台湾で上映されて1年という時間が経ちましたが、こうして日本のみなさんに『海角七号』の感動を伝えることができ、嬉しい限りです。ぜひ、応援をよろしくお願いします

 

 


NHK「日本と朝鮮半島2000年」の歪んだ歴史観

2009年12月29日 10時06分00秒 | 歴史

NHK教育TVで「日本と朝鮮半島2000年」というシリーズ番組が続いている。「プロジェクトJapan」という企画のひとつだそうで、あの「アジアの”一等国”」もこの企画のひとつだった。周知のとおり、「アジアの”一等国”」は日本の台湾統治を採り上げたが、その偏向ぶりが問題となり、視聴者による訴訟問題にまで発展している。

「日本と朝鮮半島2000年」については、教育TVで放送されているためか、その内容が話題になることは少ないようだ。だが、私が見たところでは、「アジアの”一等国”」と同様な偏向、歪んだ歴史観が見え隠れする。

前々回の放送では、いつものおどろおどろしいタイトルバックに「東アジア国際戦争」という文字が踊り、メインタイトルである「豊臣秀吉の朝鮮侵略」が現れる。「アジアの”一等国”」においても、NHKは、学界の通説にはなっていない「日台戦争」という言葉を使用して、日本の台湾統治の非道さを強調した。この「日本と朝鮮の2000年」でも、「東アジア国際戦争」という造語を使用しているのだが、どう考えても異様ではないか? 
まず、豊臣秀吉の時代は、近代国民国家間の戦争ではないにもかかわらず、あたかも「太平洋戦争」「朝鮮戦争」と同様の戦争であるかのように、戦争の概念を拡散させ、ごまかしている。この造語の後に「豊臣秀吉の朝鮮侵略」というメイン・タイトルが来るのだから、何も知らない視聴者に「日本は朝鮮に悪いことばかりしてきた」「これからは仲良くしなければいけないんだ」と思わせる意図が透けて見える。
「豊臣秀吉の朝鮮侵略」は、かつて「朝鮮出兵」と呼ばれていた史実だが、いつから「朝鮮侵略」となったのだろうか? 教科書裁判をもじって言えば、「朝鮮出兵」が不適当なら「朝鮮進駐」「朝鮮進出」では何故だめなのだろうか。
NHKの論法に従えば、「元寇」は「中国の日本侵略」と言うべきではないのか?

この番組に出演していた大桃美代子が、自分のブログにこの番組のことを書いている。
http://yaplog.jp/o-momo/archive/1246

彼女によれば、歴史にはいろいろな見方があるので、いろいろ知り考えていきたい…こういうような当たり障りの無いことを書いている。だがそもそも、「東アジア国際戦争」「豊臣秀吉の朝鮮侵略」という用語自体が、歴史学の常識から見て不公平な表現であり、自虐史観に呪縛されたものなのだ。

近隣諸国の現在の歴史観に擦り寄り、「仲良くすれば平和が続く」と説教する番組。これがNHKの「日本と朝鮮の2000年」ではないのか? もし、現在の中共(中国共産党)政権に代わって、中国に民主的政権が誕生し、現在の「反日史観」「反日教育」を引っ込めたら、NHKはどうこれに対応するのか。これは、決して架空の話ではない。台湾では、およそ20年前、李登輝氏の民主政権が誕生して、それまでの中国国民党中心の歴史教育が改められ、「認識台湾」という教科書を使って、台湾の歴史を教え始めた。その結果、日本統治時代が決して暗黒の時代などではなく、近代化の礎となった時代であることが、台湾人の若者に伝わった。これが台湾では老若男女を問わず「親日的」であると言われる理由のひとつなのだ。要するに、歴史認識は相手国の事情によっても変わり、世代の移り変わりによっても変化するのである。

数週間前のNHK「金曜バラエティ」では、中孝介が「海角七号」で歌った「野バラ」(シューベルト作曲)を歌ったが、NHKのアナウンサーは、台湾映画「海角七号」の話題には全く触れなかった。「台湾は中国の一部である」という放送内規があり、中国の気に障る情報は一切流さないと決めているとしか、私には思えなかった。
こんなNHKが、仰々しく歴史観を説く番組など作るべきではないのだ。視聴者に誤った歴史観を植え付ける作業を進めているNHK職員とは、いったいどんな連中なのだろうか。聞くところではNHKには政治がらみの職員採用が多く、その一部は在日朝鮮人枠だという。道理で、姜尚中が本職を放り出して、NHKで美術館のアルバイトをするのかよく分かった。


映画「海角七号 君想う、国境の南」の反響

2009年12月27日 15時43分56秒 | 台湾

「海角七号 君想う、国境の南」が昨日からロードショー公開された。
映画館に足を運んだ人のブログを見ると、満員の盛況で好評のようだ。主演の氾逸臣、田中千絵の舞台挨拶があり、民主党参議院議員の蓮舫さんもかけつけたそうだ。彼女のお父さんは台湾人なので、この映画をずっと見たかったと語ったという。

ウェブサイトを見ると、映画評論家・前田有一氏の「激映画批評」が目に留まった。この映画の見どころを的確に記していて、「なるほど」と思わせることばかり。ここの引用させていただく……

海角七号 君想う、国境の南

◆全日本人がみるべき作品(90点)

 『海角七号 君想う、国境の南』という映画を考えるときもっとも重要なポイントは、「この映画が台湾で爆発的にヒットした」(同国映画としては史上一位)という事実である。
 ミュージシャンの夢破れ、故郷に戻ってきた青年(ファン・イーチェン)は、郵便配達のバイト中、あて先人不明郵便を発見する。それは日本統治時代の住所表記あてに送られた60年前の郵便だった。そんなある日、地元で行われる日本人歌手のコンサートの前座を頼まれた彼は、その仕事の中で知り合った日本人女性(田中千絵)にその手紙を見せる機会を得る。そして、その手紙に大切な内容が書かれていることを知る。

 半ニート若者を主人公にしたユーモラスな下町人情ドラマ風に始まる本作は、まともなギタリストさえいない田舎町の急造バンドのどたばた騒動でまずは楽しませる。
 いや、実をいうと、それほど笑えるわけではない。一部使われるCGも安っぽく、見ていて気持ちが萎える。また、基本的に台湾映画は、キャラの立たせ方が微妙に日本人の感覚とズレているような所があるので、不慣れな人にはとっつきにくい。

 だがこの段階で、無理してでも感情移入しておくと、本作をより楽しむことができる。この映画は、中盤以降、徐々にエンジンがかかるタイプで、ラストは素晴らしいものがあるから、安心して挑戦してほしい。

 戦争中の手紙のあて先探しと、コンサートに向けての必死の練習。その2つのストーリーが収束するクライマックスの感動はものすごい。これを経た上で二度目を見れば、退屈だった前半も楽しめるだろうから、リピーターが続出したというのも良くわかる。
 それにしても、同じ戦争をネタに映画を作って、こうまで違うものかと驚かされる。これがもし中国や韓国だったら、たとえ100年たってもこの域には到達できないだろう(中国での上映時は大幅にカットされた)。

 そう、本作はまれにみる超親日ドラマなのである。

 そして冒頭で書いたとおり、本作を理解するのにもっとも重要なことは、こうした内容のドラマが台湾で万人に受け入れられたという事、台湾の人々がこのストーリーに感動したという厳然たる事実だ。この物語を俗に言う「アジアの国の人々」がどう思うか、ぜひ聞いて見たいものだ。

 それにしてもどうして、『海角七号 君想う、国境の南』は台湾の人々にこんなにも受けたのだろうか?
 その秘密は私が思うに、終盤のライブシーンでのやりとりに隠されている。ここで演奏前、主人公が田中千絵に言う台詞は非常に思わせぶりである。恐らくこれを戦中世代の台湾人が聞いたら、胸にぐっとくるものがあるのではないか。

 そしてこのあと、舞台で起こる日本人と台湾人の感動的なやりとりは、彼らの世代が戦後の日本にこうあってほしかった、俺たちは日本とこういう関係を築きたかったと願う理想の姿である。この台湾からのラブコールを、日本は戦後ずっと無視してきた。彼らが日本人に向けた思いの強さを、よもや2009年に映画の中で見せられるとは思いもよらず、私は激しく動揺し、同時に胸を打たれた。

 日本人は台湾を大切にしなくてはならなかったのに、冷たくあしらってきた。それを台湾の人々、とくに老人世代は悲しく、悔しく思っている。それでもなお、日本に期待し続けている。私はその複雑な気持ちを大勢の台湾人、関係者から聞いた。

 この事実を、多くの日本人は知らない。

 だが、それを認識した上で本作のラストを見ると、その感動は4倍増となる。さらに、この映画の主要な客層である台湾の若者たちも、その思いに共感した事を忘れてはならない。

 『海角七号 君想う、国境の南』は素朴なつくりの映画だが、だからこそ、その中に込められた愛情の純粋さが際立つ。この冬、全日本人が見るべき、いや、日本人だからこそ見なくてはならない傑作である。

映画「海角七号 君想う、国境の南」試写会で舞台挨拶する田中千絵


「海角七号 君想う、国境の南」いよいよ明日ロードショー公開

2009年12月25日 21時34分53秒 | 音楽・映画
いよいよ明日、台湾映画「海角七号 君想う、国境の南」が日本でロードショー公開される。

http://www.youtube.com/watch?v=7VKlBbTT32k


シネスイッチ銀座、梅田ガーデンシネマほか。
多くの人に見てもらいたい映画だ。



「海角七号」のラストシーン~時を超えた「野バラ」の合唱

天皇誕生日に思うこと

2009年12月23日 13時31分37秒 | 歴史

今日は、天皇陛下の76歳のお誕生日。
産経新聞ニュースによると、天皇誕生日の一般参賀に過去最高の人手があったそうだ。

 23日行われた天皇誕生日一般参賀には、午前中だけで平成で過去最高となる2万3928人が訪れた 宮内庁によると、平成に入ってからの天皇誕生日の最高参賀者数は、昨年の2万2655人だった。午後からは宮殿で、鳩山由紀夫首相を含む国会議員らが出席する宴会の儀が開かれる

小沢一郎・民主党幹事長が、習近平・中国国家副主席の来日に当たって、”1ヶ月ルール”を無視して天皇陛下の接見を要求したことが問題になっている。小沢は張り付きの記者対して「君は憲法を読んだことがあるか?天皇の国事行為は、内閣の助言によって行われる。内閣が決めるのだから問題はない」「(宮内庁長官の意見に対して)何とかという役人は、辞めてから発言しろ」と放言した。

最近、我が国の右翼、左翼はどうなっているのかよく分からないが、昔だったら、この小沢発言には右翼陣営が激怒したはずだ。まるで、「平和憲法」を宗教とする旧・日本社会党(現・社民党)のような発言だったからだ。小沢がこれだけ無神経に天皇制や官僚制度に対して暴言を吐くのを聞いて、民主党とはいったい何なのだろうかと思った人も多いはずだ。

台湾独立運動を主宰する林建良氏(医師・日本在住)は、日本が明治維新に成功し、欧米列強の植民地化を免れたのは、天皇制という日本人の”核”があったからだと指摘する。台湾には、台湾を”国”とならしめる”核”がなかったから、独立できなかったのだと…。
小沢の天皇観は、意外にも社民党並みの薄っぺらなものだった。議会で多数をとれば、すべての権力はこちらのものだという浅薄な発想は、天皇の歴史的位置づけ、権威というものに思い至ることはないのだろうか。

三島由紀夫が「私利私欲が渦巻く東京の中に、皇居が静寂の空間としてあることに意義がある」旨語ったことがある。
かつて天皇制には懐疑的だった私だが、小沢一郎の妄言を聞いて、目が覚める思いがする。”世襲議員”ばかりの麻生太郎自民党には愛想が尽きたので、自民党にも全く期待しないが、民主党がこれほどまでに自分たちの国を甘く軽く見ているとは思わなかった。ポピュリズムここに極まれり…という印象だ。


 


CDWOWから届いた

2009年12月23日 11時11分37秒 | 音楽・映画

CD・DVDのネット通販会社「CDWOW」に初オーダーしてから、ほぼ1ヶ月経って、注文品がすべて届いた。
「アマゾン」と「HMV」に続く大手通販となるが、日本支社にはあまりストックがないためか、ほとんどのCDは、海外(英国)から送られてきた。「アマゾン」は、千葉県に巨大な倉庫を持っているので、国内から配送される。一方「CDWOW」は、海外から郵送されるため、時間がかかったり、CDケースの「爪」が取れていたりするのが難点だ。だが、「CDWOW」は、全品が送料無料という大きな魅力がある。

 CARPENTERSの”Now and then"

カーペンターズのベストセラー・アルバム「Now & Then」を購入した。「CDWOW」で500円で購入したが、「アマゾン」では、1,283円。しかも、「アマゾン」ではこの1枚だけ買うと送料が別にかかってしまう。

アン・バートンの「Collections」※は、「アマゾン」では、1,341円。1枚だけ買うと、別に送料がかかる。「CDWOW」では、このCDが500円。私は、150円引きセールのときに買ったので、わずか350円だった。しかも、これには送料がかからない。

※  http://www.cdwow.jp/CD/ANN-BURTON-COLLECTIONS/dp/2494297#bc=f121

しかも、「CDWOW」の購入者になると、時折タイム・サービスの通知が来て、CD・DVDが一律150円OFFになったり、500円引きのクーポン券がもらえたりする。

 ヒナマリア・イダルゴのベスト集(2枚組)

ヒナマリア・イダルゴ(Ginamaria Hidalgo)のアルバムは永らくCD化されなかったが、最近、母国アルゼンチンでCD化された。このコンピレーションCDは、「CDWOW]の方が50円ほど高かったが、私の場合、500円引きのクーポン券で購入したので、1,300円ほどで買えた。


というわけで、結論的には、「CDWOW]で買うのが正解のようだ。ただし、国内盤は購入できない。
今回購入したのは、次のようなものだった。


エロール・ガーナーの「Misty」(DVD)と「Concert by the sea」(CD)

 
ウェルナー・ミューラーの「Uber sieben Meere」とジョージ・メラクリーノの「Music for relaxation」 





 

 




 


 


「海角七号 君想う、国境の南」

2009年12月20日 18時11分17秒 | 音楽・映画

台湾映画史上ナンバーワン・ヒットとなった「海角七号」(Cape No.7)は、12月26日、日本で初ロードショー公開される。
日本と台湾の歴史的絆を思い起こさせ、現代の日台のラブストーリーを描くこの映画は、中国の無言の圧力とそれに連動した主要マスコミの及び腰によって、長らく公開を待たねばならなかった。

先日、NHK・TVで中孝介が「野バラ」を歌った。シューベルトの「野バラ」は、この映画の主要なモチーフとなっていて、それを歌った中孝介が出演したのだから、当然、この「海角七号」に触れるのかと思ったら、NHKのアナウンサーは中孝介がそのことに触れるのを許さなかった。その模様は、次の映像で確認していただきたい。
 http://www.youtube.com/watch?v=KZhKJvRFuAM&feature=channe

l このように、NHKは中国政府を恐れて、台湾に触れることを極力避けている。他の新聞社、TV局も、フジ産経グループを除けば似たようなものだ。マスコミがこの映画について触れようとしないので、いくらいい映画であってもヒットするのは難しいのではないかと思っていた。
ところが、徳間書店が「海角七号 君想う、国境の南」という単行本を出版した魏徳聖監督の原作をベースに藍弋豊が小説化している。上述の中孝介が特別寄稿をして、ノンフィクション作家の平野久美子が解説を書いている。

今や中国に飲み込まれようとしているかのような台湾だが、若い世代の間でも親日感情は強い。これは、李登輝時代以降の台湾化教育のおかげであるとともに、日本統治時代の実績が評価されていることを示すものである。この映画を見れば、「中国はひとつ」(=台湾は中国のもの)、「日本の植民地統治は悪だった」というステレオタイプの見方がいかに間違っているか了解するだろう。映画と共に単行本が出版されたことは喜ばしい。
映画のヒットに繋がることを願わずにはいられない。

海角七号 君想う、国境の南
魏徳聖,藍弋豊
徳間書店

このアイテムの詳細を見る

台湾の調味料あれこれ

2009年12月18日 09時36分37秒 | 台湾

台湾で楽しんだグルメを家に帰って再現する方法がある。それは、調味料を買って帰ること。
台北の「セブン・イレブン」で30元、新光三越では42元だった中華風スパゲッティ・ソース。現在のレートでは、84円程度で購入できる計算だ。

 (中華風スパゲッティ・ソース)

この中華風スパゲッティ・ソースを使って、ソースを作る。基本はイタリアンと同じで、赤唐辛子、ニンニクをオリーブ油で炒め、香りが付いてところで、お好みの野菜とこのソースを加える。台北の屋台料理を思い出させる香りが漂い、食欲をそそられる。このソースとスパゲッティ(細麺)を併せたのが、次の写真。盛りつけがよくないが、味は素晴らしかった。スパゲッティよりも茹でた乾麺(うどん)の方が、さらに馴染むようだ。

 (中華風スパゲッティ)

専門店が集まる街に買いに行くのがベストだが、調味料の瓶・缶はとても重い。私は面倒なので、デパートやコンビニで済ませている。台湾の衛生管理・食品管理は、大陸に比べてずっと厳格なので、安心して食べることができるのもいい。他に気に入ったものを挙げてみよう。


(左:豆腐乳・甜酒版  右:干貝醤)


(左:肉そぼろ  右:レモン胡椒)

豆腐乳(甜酒版)は、日本人の口にぴったり。お粥やご飯に載せて食べるのもいいし、調味料として使うと、味に深みを添える。これも日本円で、およそ100円くらい。「干貝醤」は、干した貝柱がメインのXO醤に似た調味料。こちらはやや高く、450円くらい。「肉そぼろ」は、台北駅地下街に専門店があり、さまざまな種類がある。こちらは300円くらい。「レモン胡椒」は、レモンと胡椒の香りがいっぱいで、お薦め。これは70円くらいか。

「セブン・イレブン」では、シーズンであるためか落花生などの木の実が売られていた、

セブン・イレブンの落花生)

左側がカボチャの種、中央が落花生(ニンニク風味付き)、右がスイカの種。どれもパッケージが真空包装なので安心。40~50元くらいなので、気楽にまとめ買いできる。
お茶やパイナップルケーキに飽きた人には、調味料を探すのも楽しいかも知れない。

 

 


週末の台北旅行

2009年12月15日 14時07分43秒 | 台湾

週末、娘達と3人で台北へ。
最初に台湾を訪れたのが10年前、李登輝総統の時代だった。それまでの台湾は、蒋介石の中華民国という印象が強く、正直言って行ってみようとは思わなかった。ところが、実際に訪れた台北は、落ち着いた豊かな街で、街を歩く人たちの表情が穏やかだったことが印象に残る。
昨年9月、友人と大連・瀋陽に行ったあとすぐに、妻と台北を訪れた。大連など(旧・満州)では、満鉄の「アジア号」(往時の超特急列車)が「日本帝国主義」の罪状を示す証拠品のように保管(というより放置)されていた。一方、台湾では、総統府(旧・台湾総督府)をはじめとする日本統治時代の建築物がきちんと維持され、文化財としても保護されていた。この鮮やかな対比に私は驚き、台湾についてもっと知ろうと思った。

と、こんなことを書いてみても、娘達には全く関心がない。彼女たちの最大の目的は「変装写真」「エステ」「グルメ」「足裏マッサージ」。
まず、「グルメ」は、台湾老鼠さんに教えていただいた阿美飯店の「蟹おこわ」、それと店の対面にある台南名物の「虱目魚粥」(写真参照)。「蟹おこわ」は、蒸した蟹が1匹、中華おこわの上に載っているという豪華版。それでも日本円で2千円に満たない。「虱目魚粥」(サバビーのお粥)は、魚特有の臭みがなく、スープはいたって淡泊。淡泊というよりも、余計な調味料を使わず、魚独自の味を引き出している…とかTVレポーターなら言うのだろうか。これが日本円で170円(60元)くらい。虱目魚(サバビー)の肉は、これまたおいしいので、お薦め。

 (虱目魚粥~サバビーの粥)

 (阿美飯店の「蟹おこわ」)

 (澎湖島産の海鮮スープ)


「足裏マッサージ」は、淡水の河畔の店で体験。一人300元(840円)で20分間マッサージしてくれる。私は「血行が悪い」と言われた。太りすぎと言われると思ったが…。

(足裏マッサージ:淡水)

「変装写真」は、凝ったメイクをするので、2時間以上かかるという。そこで、私は動物園に。土曜だったので、中国から送られたパンダに親子連れが群がっていた。私はふと、パンダの体の中に「中国人民解放軍」の兵士が隠れているのではないかと夢想した。これは「トロイの木馬」ではないだろうかと…。

(台北市立動物園のパンダ)

 
(左:淡水・紅毛城にて 右:夕暮れの淡水河)

翌日、再び一人で「二二八記念館」へ。ここでは、「あなたは日本人ですか?」とひとりの老人に尋ねられた。5月に訪れたときも、同じような経験をした。今回は陳水渓というご老人だったが、日本統治時代が終わり、国民党軍が台湾に逃亡してきて、いかに台湾人がひどい目にあったかを話し続けた。現在は、不動産を複数所有し、悠々自適だという。館内を案内してくれた陳さんというボランティア解説員は、第2次大戦をいまも研究していると語った。日本が日米開戦に踏み切ったのは、当時の国際環境のためだが、もし、もっと上手に外交をしていたら、日本が負けることはなかっただろうと話した。これは私の父親世代がよく話していた内容と同じだ。
客人へのリップサービスという意味合いも多少はあるのだろうが、陳さんは、台湾の年表を指さして、オランダ、ポルトガル、鄭成功、清朝、日本、中華民国という外来政権の中で、日本統治時代が一番好かったと言い、「そのことを今も感謝している」と断言した。

(「二二八記念館」)

私のような歳になると、いろいろ考えてしまって、そのままこの言葉を受け取ることはできない。だが、日本人の若者にとって、これは驚くべき生の証言であって、学校で習った歴史とは全く異なる歴史の見方があることを知るはずだ。 私の泊まったホテルには、大阪の高校生が修学旅行に来ていた。多分、何かを感じて日本に帰ることだろう。

最後に、最も感心したのが台湾人の敬老精神。MRT(地下鉄)の中では、多くの人が自然にお年寄りに席を譲るのだ。私もどうぞお座り下さいと言われ、そう見えるのかと絶句した。


天皇制のタブーに踏み込んだ民主党政権

2009年12月14日 19時24分14秒 | 政治

中国の習近平副主席が来日し、天皇陛下と会う予定になっている。
安倍晋三・元総理は「小沢一郎の訪中とカップリングの政治利用」だとして批判しているが、自民党側の批判は当然のことだろう。

気になったのは、小沢一郎の反論。宮内庁長官に対して、政府批判をするなら辞表を出してからにしろ、とか、日本国憲法では政権党が天皇の国事行為をコントロールするのだと強調した。つい先日、自分自身が北京の人民大会堂で喜色満面だったことを棚にあげ、政治利用などしていないと語ったのだ。
習近平夫人は、1ヶ月ほど前に「中国人民解放軍総政治部歌劇団」の看板歌手として来日し、学習院大学で非公開公演を行った。皇太子がその演奏会に出かけたことが伝えられている。

皇太子の観劇は非公式行事であるとして報道自粛が行われたが、習近平の天皇訪問と併せて考えれば、民主党政権が天皇を政治利用しようとしていることは明かだろう。
驚くべきことに、小沢一郎は「役人(=宮内庁長官)がゴタゴタ言うことではない。政治主導でやっていく」と豪語した。民主党の言う政治主導とはこういうことだったのかと得心した。容赦のない官僚批判は、邪魔者をとことん排除しようとすることだったのかと…。
鳩山首相に至っては「世界一の人口を持つ、隣の国だから」とか暢気なことを言っていた。「友愛外交」の実態はこんなことだったのかと呆れるばかりだ。

いま民主党政権は、日本を「反米・媚中」にシフトさせようとしているように見える。それが確固たる国家戦略に基づくのなら、賛同しないわけではないが、現実は中国に足元を見られ続ける「朝貢外交」ではないのか。
加えて、民主党は「天皇制」のタブーに足を踏み入れたかのように思われる。天皇の国事行為は、政権が決めるのだから、天皇は黙って従えばいい…小沢一郎の発言には、このようなニュアンスが感じられるのだ。これに激怒する政治的勢力が日本には存在することも忘れてはならないだろう。

偶然にも今日、「東京大空襲」の”被害者”が起こした裁判に判決が出た。判決は「本件は司法の判断に馴染まない。立法措置で救済されるべき」との判断を示した。第2次世界大戦による”被害”が司法で認定されるのならば、国家とは何か、国家が起こした戦争とは何かという根元的な問題よりも、個人の利害が上位に立つことになる。こんなことは常識で考えられないことだ。今日の判決は、極めて妥当なものだった。民主党政権が続けば、戦争被害者にまでカネをばらまく政策がとられかねないのだが…。

民主党政権は、ポピュリズム(大衆迎合)で大衆の歓心を買い亡国の道を突き進んでいるようにしか思われない。

「宮内庁長官は辞表出して言え」=天皇会見への関与否定-小沢氏

12月14日18時19分配信 時事通信

 民主党の小沢一郎幹事長は14日午後、党本部で記者会見し、天皇陛下と中国の習近平国家副主席との会見が特例的に実現することについて「私が会わせるべきとか言った事実はない」と述べ、自らの関与を否定した。
 また、「天皇の政治利用」に懸念を示した羽毛田信吾宮内庁長官について「信じられない。辞表を提出した後に言うべきだ」と厳しく批判。天皇陛下との会見の1カ月前までに申請する1カ月ルールについて「宮内庁の役人が作ったから金科玉条で絶対だなんて、そんなばかな話あるか」と語った。 


民主党「地方主権」の行き着く先

2009年12月09日 11時17分19秒 | 政治

民主党がマニフェストで掲げた「地方主権」は、有権者にとって心地よい響きがするのだろうか。「地方のことは地方で」というと、自分たちのことは自分でできる、さらには、自分のやりたいことができるとまで”夢”が広がるのだろうか。

だが、地方に強大な権限を委譲するとどうなるかという見本が、現に各地で起きているのをご存じだろうか。名古屋市・河村市長は、住民税の一律10%減税をブチ上げて、市議会と衝突し、彼を支持する”市民”とともに、市議会議員の給与を半額にする条例案で対抗しようとしている。河村市長は、TV番組でも名を売った人なので、マスメディアの使い方を熟知している。たとえエキセントリックな改革案でも、マスコミを抱き込めば、うまくいくと踏んでいるようだ。「住民税の10%減税」案は、地方税法上は可能であるとしても、旧・自治省下では実現不可能な選択だった。地方の首長が人気取りに「減税」を言い出すことを許さなかったのだ。それ故に、地方自治体間の財政状況の均衡・公平が保たれていたのである。「地方自治」がポピュリズムに堕しやすい危うい制度だという認識が、中央政府にあったことは間違いない。
ところが、民主党政権になってすぐに河村市長は、ポピュリズムの手法でこれをぶちこわそうとしている。その結果が住民にとって吉と出る保証は全くないのだが。

東京・杉並区長の山田某も同様だ。「杉並師範塾」などという教員養成塾を作って、教員の質を向上させると言っているが、これには重大な疑義がある。この塾に採用される人は、地元の有力者の子弟であったり、教育関係者の子弟であったりするのではないか。香川県で問題になったように、教員採用には教育界独特のウラがあるのだが、「杉並師範塾」はこれらの批判をかわすための、公然たる「コネ機関」ではないだろうか? 「自治権」の名の下に、公然たるコネ採用が正当化されかねないという危惧を感じるのだ。

極め付きは、次の事例。「公務員攻撃」を旗頭に当選した市長が、国法も無視して、あたかも独裁者のように振る舞う光景が目に見えるようだ。

民主党の掲げる「地方主権」がすすめば、全国各地でこのような事例が続発するだろう。民主党のマニフェストが、いかに日本社会の実態と乖離したものであるかがわかるだろう。

阿久根市長、張り紙はがした元係長ボーナスゼロ

(読売新聞 - 12月09日 03:09)

読売新聞

 鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(50)が、庁舎内に掲示していた職員人件費の張り紙をはがした係長の男性(45)を懲戒免職処分にした問題で、市は男性に期末・勤勉手当(ボーナス)を支給しない方針を決めた。
 市条例の規定では、市は男性が処分前に勤務した約60日と、鹿児島地裁が処分の効力停止を決定した後の約40日の計約100日分について、支払い義務がある。男性の代理人弁護士は「行政の長が法律を無視している。法治国家にあるまじき行為」と非難している。
 市総務課によると、冬のボーナスは「一般職に属する職員の給与に関する条例」に基づき、6月2日以降の勤務状況に応じて今月10日に一斉支給される。
 竹原市長は、張り紙をはがした男性の行為を「行財政改革を支持する市民への挑戦」として、7月31日付で懲戒免職処分にした。
 だが、男性は6月2日から処分日までは通常通り勤務。さらに、鹿児島地裁が10月21日付で処分の効力停止を決定した後は、職員としての身分が法的に認められている。このため、条例に従えば、約100日分の約50万円が支給される計算になるという。
 市は地裁の決定を不服として即時抗告したが、福岡高裁宮崎支部は4日付で棄却した。しかし、市長はこれまで「復職させた場合、他の職員と一緒になって市長の命令に背くようになる」として司法判断を受け入れず、男性の職場復帰を認めない上、給与も支払っていない。
 男性は同地裁の決定後、市役所に出勤して働く意思を示しているが、市は門前払いを続けている。男性は市を相手取り、未払い給与を請求する訴訟を地裁に起こしており、ボーナスが不払いの場合、同様に請求する訴訟を起こす予定。
 男性の代理人を務める増田秀雄弁護士は「度重なる司法判断を無視し、復職を認めない市長の行為は、行政の長として許されない」と批判。自治労鹿児島県本部の高橋誠書記次長は「市長自らが条例を守らないのであれば、阿久根市は治外法権を宣言しているようなものだ」と話している。
 市側は取材に対し、「市長の指示で払えない」と説明。読売新聞は8日、市長に取材を申し込んだが、市長は応じなかった。


 

 


金美齢さんの帰化と台湾地方選挙

2009年12月05日 19時17分41秒 | 台湾

今日は、台湾地方選挙の投票日。日本のマスコミにはほとんど報道されることもない。私は、衛星放送の海外ニュース(香港)で知ったほどだった。
だが、考えてみると、中華圏においては、台湾のような自由選挙が行われたことなど一度もない。にもかかわらず、NHKなどのマスメディアは、台湾国会での乱闘騒ぎを面白おかしく報道するくらいで、民主選挙の意義を決して報道しようとはしない。おそらく大陸中国では、台湾のような自由選挙を渇望し、中共(=中国共産党)一党独裁政権に風穴を開けたいと願う人も多いはずだ。

周知のように、台湾では中国国民党の馬英九が総統に選ばれた。この結果に対して、評論家の金美齢氏は「不満の春にも花は咲く」という一文を現した。馬英九は台湾人が民主選挙で選んだ総統だから、個人的には大いに不満だが異議は唱えない。だが、台湾はどうなってしまうのだろう…と金女史は記していた。
この金女史が「正論」新年号に「私はなぜ日本国民になったか」という一文を寄せている。台湾独立運動の闘士で陳水扁政権(民進党)の政策顧問でもあった彼女が、ついに台湾国籍を捨て、日本に帰化したというのだ。

 歴史的な視点から言えば、日本人がいわゆる東京裁判史観を未だに超克できないように、台湾人もまた華夷秩序に搦め捕られている。台湾人はふたたび長い忍従を強いられる。台湾海峡が中国の内海になるのは時間の問題だ。いまや中国という危険な存在を押しとどめる"最前線"は、この日本に移った。その現実を認識し、重責を担う覚悟がいまの日本人にあるか。
  このとき誕生したのが鳩山「友愛」政権とは、「まるで悪夢を見ているよう」と言ったら日本人に失礼かもしれないが、馬英九に政権が移った瞬間の落胆と同じ思いを私は抱いた。そして、最前線で戦うことを決意した。
  二つの祖国の一つは、もう私の中では永遠に取り戻すことのできない暗闇に沈んでしまった。少なくとも私の生あるうちには、浮上することはあるまい。
  ならば、この身の能(あた)うかぎり、愛するもう一つの祖国を守りたい。周英明が生きていたら、恐らく同じ思いを抱いただろう。李登輝総統の時代ですら、中華民国のパスポートは要らないと言っていた夫である。
  私は、私や周という人間をかたちづくった
台湾人としてのアイデンティティ、そしてその根幹にある日本精神を守りたい。中国式に屈したくない。その戦いの最前線が日本に移ったのだと実感したとき、日本人(国民)への回帰を決めた。今度は「台湾人にとっての靖国」ではない。「私(日本国民)にとっての靖国」なのである。
  中国が自らに呑み込もうとするのは、台湾の次は日本である。昨年五月初旬、中国の国家主席として
胡錦濤主席が十年ぶりに来日し、「暖春の旅」と自ら名づけたように日中友好を強調するのに躍起となった。この日本訪問自体が同年三月のチベット騒乱以後初の外遊で、日本との関係緊密化を印象づけることによって、国際社会で高まった対中批判を和らげ、中国外交の孤立を回避する目的を持っていたわけである。

金女史は、大陸中国に飲み込まれつつある台湾を見て、日本国籍取得を決断した。次に守るべきは日本であり、日本精神だと決意して…。
この決断を唐突に感じられる人もあるだろう。だが、彼女の世代は、1945年8月まで日本人であったことを忘れてはならないだろう。
これまででも日本人より日本人らしい彼女だったが、ついに法的にも日本人になる道を選んだ。その決意を重く受け止めなければならないと思う。

 

 



「CD WOW」はお買い得か?

2009年12月05日 11時25分22秒 | 音楽・映画

ネット上で、CDWOWというサイトを見つけた。
http://www.cdwow.jp/

アマゾンやHMVと同様に、CD・DVDを取り扱う会社だが、果たしてお買い得なのかどうか。アマゾンやHMVに比べて価格が安く、セキュリティもしっかりしていれば、文句なしにこちらに乗り換えるのだが、若干の問題もあるようだ。

アクセスして驚いたのは、価格の安さ。しかも、送料が無料だから、良いことずくめのようだ。
たとえば、カーペンターズの代表的アルバム「Now & Then」が、CDWOWだと650円、アマゾンだと1175円。CDWOWは送料無料、アマゾンは1500円以上購入しないと送料がかかる。

http://www.cdwow.jp/CD/CARPENTERS-NOW-THEN/dp/236911#bc=8ae0

http://www.amazon.co.jp/Now-Then-Carpenters/dp/B00000G3WU/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=music&qid=1259980043&sr=8-2

しかも、CDWOWでは、タイム・セールがあって、時間限定の割引をしている。昨日まで、一律150円のデジスカウントをしていたので、「Now & Then」は、500円で購入できた。
ネット上では、①オーダーした品物が届かないことがあるものの、②カードのセキュリティは大丈夫と書かれている。私はオーダーしたばかりなので何とも言えないが、たとえば500円のCDを1枚注文した場合、海外からの発送となれば、採算を考えて発送しないこともあるのかも知れない。その点は要注意だ。

結局、他社と価格比較して、CDWOWのディスカウント・セール時を利用するのが一番お買い得のようだ。




教員資格に大学院など必要か?

2009年12月01日 22時21分34秒 | 社会

民主党は、麻生政権時代につくられた教育免許状更新制度を早速廃止した。その代わり、教員採用を教職大学院卒の資格を有する者から採用するようにするという。
子ども手当、高等学校授業料の無償化など、現在の経済状況を無視したばらまき政策を進めているのだが、その是非はともかくとして、この「教職大学院」などという構想には疑問符を持たざるを得ない。

教育学の大学院とは、たとえば次のようなものだ。これは、東京学芸大学の理科教育専攻(修士課程)の例だ。

【東京学芸大学大学院】理科教育コースの概要
本コースは,理科教育の現代的課題をふまえ,自然科学と教育科学の基盤の上に,小・中・高等学校の
理科教育について,理論的及び実践的研究を行っている。研究の対象は理科カリキュラムや教材開発,環境教育,学習指導・評価法,自然認識発達,コンピュータ支援学習,理科指導における教師の資質分析など理科教育の革新をめざして広範かつ多岐にわたっている。
教員名専門分野/研究テーマ(内容等)
鎌田 正裕
中西 史
松浦 執
小中学校の化学・物理分野における教材開発
小中学校の生物分野における教材およびカリキュラム開発
小中学校の物理分野における教材およびカリキュラム開発
物理学コースの概要
物理学は,自然科学全般の基礎を与える学問である。本コースに所属する教員は,原子物理学,物性物
理学,量子光学,量子力学,高エネルギー物理学,数理物理学などの物理学諸分野の先端的研究を進めるとともに,物理教育の研究を行っている。これらの研究分野を推進する意欲に満ちた学生諸君を歓迎する。
教員名専門分野/研究テーマ(内容等)
相澤 則行
植松 晴子
金沢 育三
並河 一道
新田 英雄
日高 啓晶
蛭田幸太郎
荒川 悦雄
顕微鏡法による固体物理学の研究
レーザー物理と量子光学の研究
核物性物理学の研究
原子物理学の基礎とその物質構造論への応用の研究
放射線物理,量子力学基礎論,および物理教育の研究
高エネルギー物理学の理論的研究
数理物理学におけるカオス性・フラクタル性の研究,及び数学・自然科学における
発見性の研究
放射光科学,物理教育
化学コースの概要
分子・原子レベルで物質の理解を目指す分子構造化学,反応化学,合成化学,物質物性科学の基礎と化学教育への応用を教授する。
教員名専門分野/研究テーマ(内容等)
小川治雄
小坂知己
斉藤昭
長谷川正
前田 優
吉永裕介
吉原伸敏
固体表面を反応場とする選択的反応
ソフト溶液プロセスによる材料合成と構造解析
遷移金属酸化物集合体の二次構造を規定する因子の研究
官能基を2 つ以上有する有機分子の光化学の研究
フラーレン・ナノチューブを主とする炭素クラスターの分子変換に関する研究
クリーンな化学プロセスおよび環境修復のための触媒の設計・開発に関する研究
1,3-ジカルボニル化合物の反応とらせん高分子化合物の合成に関する研究

これを修了すると、教育学修士の称号が与えられる。もちろん、理学修士、工学修士などではない。
次は、東京工業大学の大学院理学研究科(化学)の例。
東京工業大学大学院】

専門共通基礎科目(修士)
物理化学基礎特論(前期)必修 計測機器演習1(前期) 選択必修(※)
有機化学基礎特論(前期)必修 計測機器演習2(前期) 選択必修(※)
無機化学基礎特論(後期)必修 計測機器演習3(前期) 選択必修(※)
最先端計測機器概論 (前期)必修
(※)1~3のうち、1科目を選択すること
高度化学計測関連科目(修士)
結晶構造特論(前期) 最先端計測創造特別講義1(後期)集中講義
分離科学特論 (前期O) 最先端計測創造特別講義2 (前期) 集中講義
スペクトル解析学特論(後期E) 最先端計測創造特別実習1 (前期) 学外での実習
分子分光学特論(後期) 最先端計測創造特別実習2 (後期) 学外での実習
その他の講義(修士)
固体化学特論(後期) 物理化学特論第二(後期(O))
地球環境化学特論(後期(O)) 合成有機化学特論(後期(E))
物理化学特論第一(後期(E)) 有機金属化学特論(後期(O))
化学専修実験
化学専修実験1(H20前期;各教員)修士1年 化学専修実験3(H20前期;各教員)修士2年
化学専修実験2(H20後期;各教員)修士1年 化学専修実験4(H20後期;各教員)修士2年
化学講究
化学講究第1~第4(修士) 化学講究第5~第10(博士)
最先端計測コロキウム
最先端計測コロキウム1 博士1年 最先端計測コロキウム4 博士2年
最先端計測コロキウム2 博士1年 最先端計測コロキウム5 博士3年
最先端計測コロキウム3 博士2年 最先端計測コロキウム6 博士3年
最先端計測創造特別実習
最先端計測創造特別実習3 (前期) 博士 最先端計測創造特別実習4 (後期) 博士
化学特別講義 他
化学特別講義第1~第4 グローバルCOE化学・環境安全教育(前期)必修
化学特別講義第5、第6 Current Chemistry I~IV
化学トピックス特別講義
国際大学院講義
Advanced Physical Chemistry Advanced Organic Chemistry
Advanced Materials Chemistry Current Topics in Chemistry and Chemical Engineering

東工大は、理学修士号が与えられる。教育学修士の学芸大学は、理科教育方法を学ぶカリキュラムに過ぎず、東工大のカリキュラムとは比較にもならない。これは、英語でも、音楽でも皆同じ。要するに、英語科教育方法、音楽教育方法を学ぶに過ぎない。どれも、一般社会では全く通用しない経歴だ。
こんなことを学ぶために、修士課程2年間を費やして、それが教職の基礎資格となるなど、全く信じられないことだ。科学研究の水準から見れば、東工大などの理工学系大学の方がはるかに専門的で、英語のレベルで言えば、学芸大よりずっと上手な学校はいくつもある。
旧・師範学校の亡霊を復活させるかのような民主党案、アナクロニズムと言わずに何と言おうか。

教育界というのが実にバカだと思うのは、これで教師の社会的地位が上がると思いこんでいることだ。大学院を出ていれば”ハク”が付くし、父母にもバカにされないとでもいうのだろうか。
教育学部というのは、ラッキョウのようなもの。皮を剥いていけば、何も残らない…。