”毛沢東派”などという懐かしい言葉が飛び込んできた。
つい先日、「共和制」に移行したネパールでは、”毛沢東派”が結構な勢力を維持しているらしい。
本家の中国では”毛沢東思想”など歴史の片隅に追いやられてしまった。貧困と恐怖政治が基盤となる毛沢東型支配は、もはや時代遅れなのだろう。
ところが、ネパールに今頃こんな連中が残っていたとは…。懐かしくもあり、複雑な思いだ。
<ネパール>毛派ゲリラ不安 「兵士以外の生きる道知らぬ」
5月30日13時30分配信 毎日新聞
「私たちはどうなるのか」。ネパール南西部の山奥で軍事訓練を続ける旧反政府武装組織「共産党毛沢東主義派」(毛派)の兵士たちが不安を漏らした。28日、王制から共和制に移行し、毛派主導で連立政権が発足するネパール。だが連立相手の政党勢力は、毛派が部隊を維持していることに警戒感が強く、毛派が求める部隊の国軍との統合にも否定的だ。その処遇をめぐって、新政権の安定を揺るがす火種にもなりかねない、毛派部隊の宿営地を訪ねた。【ダシュラトプール(ネパール南西部)で栗田慎一】 宿営地は、標高1000メートルの険しい山々と深い峡谷に囲まれていた。07年1月から始まった国連監視下での武装解除で、宿営地内に国連の監視員が常駐。武器は鍵のかかった倉庫に保管されている。ただ、護身用に小型の拳銃などを持ち歩くことは認められている。 プラティック司令官(34)によると、兵士は約5000人。多くが貧困家庭出身で10代で毛派に「参加」、うち2割が女性だ。 平均年齢25歳前後の若い兵士たちは、「統合の準備」を名目に訓練を続けている。訓練所は宿営地から徒歩約2時間の山腹にあり、現地語で勝利を意味する「ギート」と名付けられていた。 「遅れるな」「乱れるな」。兵士たちは監督官が叫ぶ中、山道でランニングをこなしていた。午後になると、木製の「模造銃」を構え、一斉攻撃時の配置確認などを続けた。「きついけど充実している」。21歳の男性兵士は、息を切らしながらも笑顔で語った。 新政権で首相就任が確実な毛派最高幹部のプラチャンダ書記長は、「06年の政府との和平合意の際、国軍統合が約束されていた」と主張し続ける。しかし、国軍は「ゲリラと正規軍では戦い方も思想も違う」と拒否。政党勢力も「別の治安組織を新設する方が現実的」と否定的だ。 4年前に国軍との戦闘で夫が死んだというビンドゥ旅団副司令官(26)は、「我々は兵士以外の生きる道を知らない。国軍統合がかなうことを願うしかない」と訴えた。 |