ところが、中山成彬国土交通大臣の「暴言」問題を聞いて、やはり一言触れておかなければと思った。
中山元国土交通大臣は、宮崎県出身で65歳。鹿児島ラ・サール高校を経て、東大法学部に入学、大蔵省に入省という、華麗な経歴を持っている。奥様が中山恭子さんと聞けば、さらに華やかさが加わる。
中山氏は、「成田空港反対派はゴネ得」「日本は単一民族」という2種類の「暴言」については謝罪したが、「日教組は日本のガン」という主張は撤回しなかった。
私は、この毅然たる態度を高く評価する。多少なりとも、実情を知る一人として、彼の発言は間違っていないと思う。
「日教組」が牛耳る学校では、すべての問題が「当局」(すなわち校長)との「交渉事項」とされる。「日の丸」「君が代」はもとより、本庁からの調査依頼などでさえ、”労働強化”ではないかと言い出す者が出て、職員会議の「議決事項」となるのだ。そこでは、陳腐な「多数決原理」がまかりとおり、組合の意向に添った「神聖な」一票が、浮世離れした結論を導き出す。
校長を「権力の手先」と見なし、自らは「憲法」「平和」を守る「民主主義者」だと自認するのが、こういう職場に巣くう組合活動家の常套手段だ。
だが、こんなことばかり繰り返す現場では、当然、生徒の学力の向上などありえない。その点を組合活動家は、「差別を許さない」「選別は差別だ」などと論点をすり替えるのだ。
では、「日教組」を潰せば日本の教育はよくなるのか? 中山氏が触れない問題として、教委幹部・校長等の資質の問題がある。各県の国立大学教育学部(旧師範学校)出身者を頂点とする、教育界支配の構造は、先の大分県教委の問題で露わになった。言ってみれば、教委も校長も組合もグルなのだ。とっくの昔から「教員はコネがなければ採用されない」と言われていたのに、何を今さら…いう感も否めない。
教委及び校長の人事が腐りきっていたのでは、「日教組」退治でもないだろう。
たかだか地方国立大学教育学部卒(大分大学教育学部)の人物が、県教委、校長の主要ポストを牛耳るという世界のなんといういじましさ! だが、この構図は、高級官僚の世界と相似形ではないのか。
中山氏の発言は間違ってはいない。でも、ちょっと訊きたいのは、ご子息、ご令嬢をどこの学校に進ませたのかということ。
もちろん、有名私立学校から、東京大学に進ませたのでしょうね…。(ご子息は官僚になったという噂もありますが。)
公立の中・高校などハナから行かせるはずもないでしょうから…。