きょうは友人と三人でランチ。
たまたま、ゼレンスキー大統領の演説に話が及んだ。それに対する「被爆者」団体の代表者のコメントがあまりにひどかったという点で皆の意見が一致した。
その被爆者団体の代表者は、あたかも「被爆体験」を至高として、他者に説教をするという過ちを犯していた。目下の戦争指導者たるゼレンスキー大統領に対してさえ「ヒバクシャ」として一言モノ申すという態度はいささか異様な感じだった。
原爆を投下した米国に対しては、正面から抗議できず、「決して過ちは繰り返しません」という、主語抜きの石碑を作った日本。それもこれも、先の戦争の「総括」をしなかったからだろう。忖度やごまかしで戦争遂行者の責任をあいまいにしてしまったからだ。
ウクライナ戦争の当事者に対してマウントをとったお説教は不要だ。
「望みを打ち砕かれた」 G7広島サミット、被爆者から批判の声も
寺島笑花 黒田陸離 岡田将平
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G7広島サミットが3日間の日程を終えた。かつて原爆を投下した米国のバイデン大統領、戦時下のウクライナのゼレンスキー大統領らが被爆地に集い、平和記念資料館を訪問した。核軍縮を訴えた「広島ビジョン」をめぐり、岸田文雄首相は「歴史的」と胸を張ったが、被爆者からは「広島を利用された」との批判の声も上がった。
岸田首相は21日夕、サミット閉幕を受けて平和記念公園で記者会見を開いた。被爆地が願う核廃絶に関する質問が出ると、「世界のリーダーたちに被爆の実相に触れて頂き、胸に刻む時を共有した」と3日間を振り返った。
そして19日に発表した「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」を挙げながら、「核兵器のない世界へのコミットメントを再確認し、真剣な議論を行い、理想の実現に向けたG7首脳の決意や行動を示す力強い歴史的な文書になった」と強調した。
広島市の松井一実市長は21日、ゼレンスキー大統領を岸田首相とともに原爆死没者慰霊碑へ案内した。「核兵器の脅威にさらされているなか、被爆者の思いに触れてこんな思いを誰にもさせないと心に刻んでいただいたと思う」と記者団に語った。「G7の首脳には核兵器のない世界への具体的なプロセスをこれからしっかりやっていただきたい」とも指摘した。
湯崎英彦知事は「みなさんの資料館見学の後、明らかに議論にインパクトがあったと聞いている。こういう取り組みを粘り強く進めていくことが核兵器廃絶に向けて重要だ」と話した。
ただ、広島ビジョンは核兵器の削減の継続をうたう一方、「防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止し、戦争や威圧を防止する」と自らの核抑止力維持の正当性を主張している。
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の木戸季市事務局長(83)は「核抑止論をもって、戦争をあおるような会議になった。いちるの望みを打ち砕かれ、怒りに震えている」と語った。
核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の川崎哲国際運営委員は「核軍縮の道を切り開けなかった」とした。「ロシアの核を抑止する一番の方法は、あらゆる国の核を非難することだ」と指摘し、「首脳らは被爆者と面会している。いかなる核も許されない、という具体的な文言を聞きたかった」と話した。
首相が会見している最中の平和記念公園の近くでは、「カクワカ広島(核政策を知りたい広島若者有権者の会)」のメンバーらが「核兵器を廃絶するために具体的に行動してください」と記した横断幕を掲げた。被爆者のサーロー節子さんの言葉だ。
広島大1年の岡島由奈さん(18)は「(核兵器廃絶へ)こんなに動かないんだ。こういうサミットは見たくなかった」ともらした。(寺島笑花、黒田陸離、岡田将平)