「スター・ウォーズ~最後のジェダイ」を見に行く。
隣県のシネコンは、水曜日の朝一番だというのに、かなりの観客がいた。先週同じ場所で「オリエント急行殺人事件」を見たときは、週日の朝の観客がまばらだったから、スター・ウォーズの人気ぶりがうかがえる。
私は「スター・ウォーズ」の第一作しか見ていないから、この新作に至るまでストーリーの変遷についてはよくわからない。CGを駆使したド派手な戦闘シーン、勇壮で少々騒がしい音楽は、さらに一層”磨き”がかかり、中高年にはちょっと息苦しい。
40年前の第一作と今回を比べると、レイア姫・キャリー・フィッシャーが老人になってしまって、昔日の面影はほとんど残っていない。実生活では、この映画の完成直後、病死(2016.12)したので、これが遺作となった。
「スター・ウォーズ」の根底にある世界観、つまりキリスト教や反共主義に基づく正邪の二元論、隠しきれない白人優越思想などは、この40年で社会主義圏の崩壊、グローバリズムの台頭という巨大な変化があったにもかかわらず、さして変わっていないようだ。新作には、脇役で黒人のほかにアジア人女性が二名加わっているが、これなどは、巨大な中国市場をにらんで付け加えた布陣と考えて間違いないだろう。
ケリー・マリー・トラン(ローズ役)
このローズというアジア系の女性、映画の中では結構な活躍場面がある。影が薄くなった日本人ではありえない。中国人か韓国人かと思って調べてみたら、ケリー・マリー・トランという28歳のベトナム系女性だった。ベトナム難民として米国に逃れた一家の一員らしい。
美人とは程遠い、アジア系の女優が唐突な活躍をするという、この新作。月並みな言葉でまとめれば、この40年間の変化を象徴しているのかも知れない。
まあ、はっきり言ってしまうと、「駄作」だったね。遺憾ながら…。