台湾映画「言えない秘密」(”不能説的秘密” 2007年)がYouTubeで見られる。しかも英語字幕付きなので、ストーリーもわかりやすい。
映画の舞台になった学校は、台北近郊の淡水にある、日本統治時代に建てられた重厚な建物。
台湾映画「言えない秘密」(”不能説的秘密” 2007年)がYouTubeで見られる。しかも英語字幕付きなので、ストーリーもわかりやすい。
映画の舞台になった学校は、台北近郊の淡水にある、日本統治時代に建てられた重厚な建物。
NHK「巨大災害 Mega Disaster」シリーズの今年最初の番組「MEGA CRISIS 巨大危機~脅威と闘う者たち~ 第4集 “地震大火災”があなたを襲う ~見えてきた最悪シナリオ~ 」が放送された。科学は新たな発見をして、巨大災害の原因究明が進み、リスク回避する取り組みが行われているという番組なのだが、ものものしいナレーションや音楽を聴いていると、何か違和感を覚えてくる。
すなわち、大震災によって「被災者」となるだろう視聴者にとっては、どうやったら、我が身を守れるかという切実な問題に対する回答にはほとんどなっていないのだ。唯一の例外は、「感震ブレーカー」を設置すれば、地震後の火災を防げるとしたトピックだけだった。
この「感震ブレーカー」にはいろいろな呼称がある。「スイッチ断ボール」などとも呼ばれているようで、アマゾンなどで二千円前後で購入できる。先の都知事選で増田寛也候補は「感震ブレーカーの全家庭配布を考えてみたい」と語ったが、あえなく落選。小池百合子知事は「豊洲が…」「五輪が…」と騒いでいるが、何故、こんなに簡単で実現可能な施策をやらないのだろうか。受け狙いの政治よりも、地に足の着いた現実的施策を行うべきだろう。それこそ、結果的に「都民ファースト」になるのだから。
台湾映画「多桑(父さん)」がYouTubeで見られるようだ。日本の敗戦と蒋介石の中国国民党政権の台湾「流亡」により、台湾の日本語世代(=本省人)が引き裂かれた感情を描いた秀作。
興味のある方は、ぜひ。
BS1スペシャル「美術家たちの太平洋戦争~日本の文化財はこうして守られた~」(NHK-BS 1月8日放送)は、ホントに酷い、あきれ果てるほどの番組だった。
米軍による日本本土爆撃の際に、米国人の日本美術専門家が、日本の美術品が収蔵されている地区を指定して、爆撃から守ったという”美談”がテーマ。だがそもそも、東京大空襲などの都市無差別爆撃が、一般市民への無差別大量殺戮であり、明確な国際法違反だったことを考えれば、こんなヨタ話を「新資料を発見」とか言って放送されたら、「戦災」被害者はたまったものではない。
昨年、NHKスぺシャルが「戦火のマエストロ~近衛秀麿 ユダヤ人を救った音楽家」を採りあげ、近衛秀麿がユダヤ人を救った人道的な平和主義者だったと視聴者に印象付けた。このときの番組制作手法は、今回の番組と全く同じ。すなわち、戦争体験者、当時を知る証言者がほぼいなくなった今、このような歴史ドキュメンタリーに関しては、NHKディレクターが恣意的に「史料を発掘」し、もったいぶったコメントと仰々しい音楽を加えて、大層な番組に仕立て上げることが可能になった。つまり、枝葉末節のエピソードに脚色を加えることで、従来の歴史認識を変えさせることができるようになった。
NHKの番組制作手法がいつも問題なのは、現在の政治社会状況におもねって、現在の視点で「歴史」を裁こうとする点だ。「女性が輝く社会」が政治課題になっているから、新しい大河ドラマは「おんな城主」だという、このわかりやすい安直さ。日本の美術品を守ってくれた米国人美術史家の「秘話」をクローズアップして、「日米同盟」の絆を説教するような番組。どれもこれも、視聴者を小ばかにしたお説教ではないか。アホラシい、と言っておく。
【NHK番組紹介より】
BS1スペシャル「美術家たちの太平洋戦争~日本の文化財はこうして守られた~」
世界の観光客が訪れる寺社など日本の文化財。太平洋戦争をどう生き延びたのか、知られざる物語。法隆寺に魅了された米・美術家が中心になり、守るべき日本の文化財リストを在米日本人も協力し、極秘に作成。攻撃計画する米軍に送られた…。戦後も日本の文化財は被害の賠償として奪取される検討が。国際舞台や米政府内での激論に立ち向かったのも美術家だった…戦中戦後の極秘活動を取材。遺族や関係者、米軍機密資料から明らかに。