『「小池劇場」が日本を滅ぼす』(有本香著 幻冬舎)がベストセラーになっているという。
土・日曜日、都内を訪れたが、都議選のヒートアップにはちょっと驚かされた。有本香が指摘するように、小池百合子が意図的に争点とした「豊洲、築地」「都政改革」どおりに、選挙運動が進められている様子だった。
「毎日」や「産経」の世論調査を見ると、「都議に最も取り組んでほしい政策は「医療・福祉」が31%で最多で、「雇用・景気」が18%で続いた。「豊洲市場移転問題」は7%、「東京五輪・パラリンピックの準備」は6%にとどまり、都民がより生活に密着した課題を重視していることが浮き彫りになった。一方、小池氏が主張する「都政改革」は18%に上り、訴えが認識されてきたとみられる」(「毎日」)とある。どちらの調査でも「防災対策」「都市の強靭化」は設問にさえ取り入れられていない。
東日本大震災、福島原発事故で、あれだけの被害が出て、次は首都圏が危ないと言われているのに、この健忘症。何の対策も講じず、「豊洲」や「五輪」にうつつを抜かす「小池劇場」。このまま、マスメディアの思惑通りの選挙結果となれば、「小泉劇場」「民主党政権」の愚行が再現されることになりそうだ。「愚かな政治」のツケは、必ず都民・国民に回ってくる。
投票先決定者 都民フ27%、自民26% 未定は57% 毎日新聞世論調査
毎日新聞2017年6月26日 東京朝刊
東京都議選(7月2日投開票)を控え毎日新聞が24、25両日に実施した都内の有権者が対象の電話世論調査で、「投票先を決めている」「だいたい決めている」とした人の政党別投票予定先は、小池百合子知事が代表の「都民ファーストの会」が27%、自民党が26%と拮抗(きっこう)した。市場移転問題で小池氏が発表した「豊洲移転・築地再開発」の基本方針を「評価する」とした回答が55%と「評価しない」の31%を上回り、この判断も都民ファーストの支持につながったとみられる。一方、「まだ決めていない」が57%に上り、今後はこの層に浸透するかどうかが鍵を握る。
その他の政党別投票予定先は、共産党13%▽公明党12%▽民進党8%▽その他の政党計3%▽無所属2%▽分からない・無回答9%--で、都民ファーストの数字に公明など小池氏の支持勢力を加えると、自民を上回った。「加計(かけ)学園問題」や「共謀罪」法の採決強行などによる内閣支持率の急落も影響した可能性がある。
「小池氏を支持する」と答えた人は67%で、「支持しない」22%、「分からない・無回答」12%。支持率は5月末に実施した前回の毎日新聞の電話世論調査と同程度で、依然として高い人気を維持していた。また「小池氏支持」と答えた人のうち、投票予定先を「都民ファースト」としたのは41%で前回調査より高い。小池氏支持が都民ファーストに反映され始めた状況がうかがえた。小池氏を支持する人の他の投票予定先は、自民18%▽公明14%▽共産11%▽民進8%▽その他の政党計1%▽無所属1%▽分からない・無回答7%--だった。
都議に最も取り組んでほしい政策は「医療・福祉」が31%で最多で、「雇用・景気」が18%で続いた。「豊洲市場移転問題」は7%、「東京五輪・パラリンピックの準備」は6%にとどまり、都民がより生活に密着した課題を重視していることが浮き彫りになった。一方、小池氏が主張する「都政改革」は18%に上り、訴えが認識されてきたとみられる。【樋岡徹也、柳澤一男】