the other side of SmokyGitanesCafe
それとは無関係に・・・。
 





GITANESブロンドかGITANESカポラルか
というような選択肢はない。
それとは無関係に・・・。

いつもはAセットにしていた。
そもそも美味しいし、量も丁度いいもんだから
ついついAセットにしてしまう。
値段もまあその店では安い方だし。

しかしBセット。
このBセットはAセットの美味さはそのままに
ボリュームをどん!と上乗せしたものである。
もちろんAセットよりも値段は高いが
あっちの席に運ばれたBセットの、聳え立つ威容は
どうだ!
こりゃあもう、Bセット一択ではないか。
Bセットを注文した。

運ばれてきたBセット。
あっちの席という遠景ではなく、目の前に
広がる大海のようなBセット。
さっきは聳え立つ威容と書いたのに矛盾している
ではないかとお気づきの読者も多いだろうが
この沈着冷静な私が取り乱すほどのボリュームが
あったのだBセット(かなり誇張だけど)。

うまい。
見た目通り美味い。
サクサクだ、しっとりなのにサクサクだ。
つけあわせも、しょうもないのに美味く感じる。
サクサクだからだ、しっとりなのにサクサクだからだ。

サクサクだからだ、しっとりなのにサクサクだからだ・
なんて言ってられるのも5切れ目までだ。
多過ぎる。明らかに多い。

ああ、Aセットにしておけばよかった。
Aセットなら、この今の時間帯の
「美味い、うまいに違いない、だから食べきれる!」
と自分を鼓舞する状態などなかったのだ。
幸せなまま最後の水を飲み干すことができたのだ。

Bセットは多すぎるのだ。
まだその上に「もっと盛ったやつ」が存在するが
これは私のような普通の人間が注文するメニューでは
ないのだろう。


気を紛らわせるために食べながらメニューに目を
やっていた。
あっ!
和風セットもあるではないか!
これは大根おろしが上に乗っかっている。
これなら大根おろしで胃を労わりながら食べるという
正に一石二鳥の代表例ではないか!
ステキな和風。和風ならBセットでもいけるんじゃないか!
と、たった今起きたことへの反省も消し飛び
『和風ならBセットもいけるか』という仮定の世界へ
飛んでしまっている自分に気づいた。

目の前には数切れのサクサクがある。
そのうちの一つは他のサクサクより明らかに大きい。
「身の程知らずの愚かなる男よ、早々に立ち去れ。」
と低音で告げているラスボスのような一切れ。
早々に立ち去りたいのはヤマヤマだ。
お前に俺の気持ちなどわかってたまるか・
と悪態を(心の中で)つきながら
また徐に箸を伸ばしたのであった。







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