お盆の思い出（第２２５２話）

GITANESを線香代わりに。
それとは無関係に・・・。

お盆。
タイトルにお盆の思い出と書いてしまったが
正直に言ってそれほどの思い出などない。

若いころは、代々の仏壇が祖父母宅にあり
私は祖父母とは疎遠にしていたので、お盆だからと
仏壇の前であれこれすることがなかった。
幼いころにお盆の法事に参加したことがあったが
その当時は祖父母宅の仏間にはエアコンがなく
暑かった。
窓は全て開け放たれていたがそれでも全く
涼しくはなかった。

北側にはお寺があり、幹がものすごく太くて
まっすぐ上に伸びた木が３本あった。
仏間の窓からはその木の根元の方が見えていた。
セミがうるさいほど鳴いていた。
セミがうるさくて暑いのがお盆のすべてだった。

いろいろあって、自分の家に仏壇を引き取っていた間
は、盆の行事がいろいろ忙しかった。
坊主を迎えるのももちろん準備が必要だったし
お参りに来る身内には、それほど明確な事前連絡なしに
やってくる人もいるし、そういう訪問でも普通に
受け入れなければならないし、昼寝の暇もなかった。

また経緯があり、仏壇は兄の家に引っ越ししていった。
それ以降はオヤジの遺影と骨、ケンタロウ（柴犬）の
遺影と骨に花を添え、いつものように水やコーヒー、
羊羹や果物を供え手を合わせるのみである。
相変わらずセミは鳴くが、エアコンがあるから
それほど暑さが印象に残るお盆ではなくなった。
遺影の前で足を投げ出し、本を読んで過ごした。

オヤジが亡くなった夏にも咲いていたように、
ミニひまわりが咲いている。
水を遣ったら数分後に大雨が降ってきた。
何をやっていることやら。