年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

東京府下農事要覧 明治14年出版の刀豆栽培方法

2020年01月30日 | 福神漬
東京府下農事要覧 明治14年出版
 明治初めの欧米先進国からの文化の移入は文明開化と言われ各方面に影響をもたらした。しかし農業に関しては比較的早く西欧の農業方法が日本に効果が上がらないことが露呈してきた。東京の西洋式農業実験所で失敗が目立ち、旧来の日本農業の見直しが明治10年の西南戦争中から始まった。
 明治10年上野公園内で開催された第1回内国博覧会に出品した農産物関係の多くは欧米農業の推進の失敗から見直された。農産物の出品解説でわが国の固有の栽培方法の利点を示そうとした。この時農産物のうち穀類野菜類は在来の農業技術を網羅して欧米的農法に対する特色を出そうとしていた。
南葛飾郡上木下村(現在の墨田区押上付近-東京スカイツリーのある所)
〇刀豆
蒔き付け並びに採取
春土用の五日前に本畑に蒔き付け夏土用入り後十日目頃採取する。
2020年の春の土用は4月16日から5月4日までです。夏土用は7月19日から8月6日までです。
培養並びに施肥
本畑に柄鍬(えぐわ)をもって耕し作鍬をもって均し、畦を三尺に切り、畝を一尺三寸にして一粒づつ蒔きその種の上にもみ殻を少し盛り置き、凡そ日数は二十日ばかり経て生ず。その時人糞を施し又十五六日ばかり経て鍬を入れたのち又水肥を施し根際に土を左右より寄せ竹を菱型に立て倒れないように四本ごとに地際より五尺ばかりの所に縄にて縛り又人糞を施し鍬を入れ草を取り去る。三回にして成熟し種を取るには十月ころ熟したるをもって刈り取り、百日ばかり乾かし実と鞘を分け塵芥を取り去りカマスに入れて貯蔵する。

 明治の老農という人達が西洋の農業・農学の良いところを取り入れたのはかなり時間がかかった。
コメント
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