鎌倉が一番混雑すると言われている六月に紫陽花見物に出掛けた。
新小岩駅から快速に乗り、16駅・1時間14分の小旅行である。鎌倉には何十年ぶりだろうか?ほとんど記憶が無い・・・と言うよりも全く記憶が無い。鎌倉駅で降りてそのまま江ノ島電鉄に乗り換えると、ホームには私の予想を遥かに上回る人人人・・・で溢れていた。初めての江ノ電乗車にワクワクしつつも、満員の車内で車窓が見えない。長谷駅まで乗車し、最初に目指すは鎌倉大仏のある高徳院。長谷寺をとりあえず横に通り過ぎ、人で溢れる街道を直進する。これまで見たかも知れないが紫陽花よりも私の心は大仏様に躍る。そしてはやる気持ちを抑えつつ、ご対面~誰もが同じ感想だと思うのだが、予想よりも「小ぶり」である。それでもパチパチと撮影してしまう。何故だが私には「ジャイアントロボ」のようにも見える大仏様・・・
そして再び大渋滞の細い街道を戻り、あじさい寺として有名な長谷寺へと向かう。
中に入ると「うちわ」が配布されており、うちわに番号(087)が記されている。あじさい散策路へは入場制限がされており、うちわの番号順に入場出来るシステムだそうだ。
この時点で087番は75分以上待ちの案内・・・紫陽花見物だけでそんなに待つなんて・・・途方に暮れる私だが「実際には40分程度ですよ」とのお寺の人の言葉をただ信じよう。入口付近の「入場うちわ番号案内」なる掲示板の周りには順番待ちの人々が溢れている。売店で小休止していると実際に40分程度で087が呼ばれる。
ただ順番が来たからと言ってサクサク見物出来る訳でも無く、山道に連なっている長蛇の列に加わり、少しずつ焦れるように階段を登って行く。途中で記念撮影をする人たちもいるので列は少し進んでは止まったりを繰り返す。ただそのおかげでじっくりと紫陽花見物や撮影が可能である。紫陽花の咲き頃もピークを少しだけ過ぎているようだったが、斜面に咲き乱れる様々な種類の紫陽花はそれはそれはなかなか見事だった・・・と思うと同時に花を愛でるようになった自分にも驚く。
長谷寺を出て由比ヶ浜の海岸線を歩き、煩悩の数と同じ108段の石段の両脇に般若心境の文字数である262株の紫陽花が咲く成就院へと向かう。坂道から由比ヶ浜を望む眺望に期待したものの、ここにもやはり人人人で紫陽花以上に見物人の数が多かった・・・
成就院から江ノ島電鉄の極楽寺駅に乗る。何とも素敵な名称である。極楽・・・
街の中をすり抜ける江ノ電。地元民と思われる方が線路を当たり前のように横切る光景を何度も目にする。
江ノ電は色々な種類の車両が走っているのだが、やはり私にとってはこの色である。再び鎌倉駅に戻り、小町通りを散策し、遅い昼食を食べる。とにかくどこもかしこも人だらけで、それだけで疲れてしまい、帰りの車内ではすっかり熟睡してしまった。それでもやはり乗り換えなしで新小岩に到着するアクセスは魅力である。
今回はスタート時間が遅く、あれこれと見物出来なかったが、次回は「空いている」時期にじっくりと見物したいものである。ただ木造の文化財が多い為、喫煙スペースが非常に限られており、滞在5時間で吸った本数はわずか数本だった。
【おまけ】小町通りで見掛けたビル。もちろん無関係である。