中野サンプラザで行われた稲垣潤一のコンサート。
開演時間18時30分、18時の終業と共に新小岩駅へと小走りに向かう。18時2分の電車に乗っても中野駅到着は18時38分。開演時間が遅れてくれる事を祈りつつ、車内で私の一番大好きな曲「思い出のビーチクラブ」を何度も聴き直す。すると途中から電車のスピードが落ち、そのうち止まった・・・新宿駅で線路に乗客が転落とのこと・・・結局10分遅れで中野駅に到着。こうなれば急いでも仕方が無いとサンプラザを見上げながら喫煙コーナーで一服する。ここにはいつ以来だろう?と考える。確か高校時代の須藤薫以来ではないだろうか?
吸い終えてから受付でチケットを出す。ホールから彼独特の高音が漏れ聞こえて来る・・・ん?私の一番聴きたかった「思い出のビーチクラブ」じゃないか~嘘ぉ~ん。足早に扉の前に進むが、着席はこの曲が終わってからとコンサートスタッフさんから制止され、扉を入ってすぐの階段から「一服しなきゃ良かった~」と恨めしそうに立ったまま眺める。曲が終わり、席に移動し、友人と合流。ビーチクラブの喪失感と共にコンサートは進む。大がかりな演出や仕掛けがある訳でも無く、淡々と曲が流れて行く。ただ単に「歌だけを聴く」シンプルなコンサートもなかなか良いものだ。曲は知らない曲と知っている曲が入り混じり、パ・リーグの試合を観に行った時のような「あ!知ってる選手(曲)だ」的な感じであったが、私にとって彼の初生声に魅了される。60歳を過ぎたとは思えない彼の高音は80年代の頃と全く変わらない。
そしてコンサート終盤、空席だったドラムの前に彼がおもむろに進み、名曲「ドラマティックレイン」を熱唱。ドラムを叩きながら歌うスタイルは発売された1982年当時まだ珍しかったが、30年以上過ぎた今でもなかなか素敵で格好良かった。
そしてコンサートは約2時間ほどで終わり、中野で飲んで帰った。そしてそれからしばらくの間、稲垣潤一ブームが私の中にやって来た。