管理させて頂いているマンションの売却が決まり、同時に管理会社も当社から他の業者さんへと変わる事になった。
古いアパートの取り壊し・完成から携わって来た思い入れのある物件で、売却はおめでたい事ではあるが、何だか少しだけ寂しい気持ちになった。もちろんオーナーさんの財産なので、私がどうこう言う事ではないが、当社に売却の依頼の話が出た時は一日も早く決まって欲しいと願う反面、まだまだお別れしたく無かったり・・・と色々と複雑だった。オーナーさんの人柄ももちろんのこと、入居者さんが全員良い方ばかりで、ほとんど大きなトラブルもないまま、約20年以上とても友好的且つ遣り甲斐のある仕事をさせて頂いた。感謝の気持ちを込めて、全入居者さんに挨拶に伺った。残念ながら在宅されていた方は一戸室であとは挨拶状を投函した。すると翌日わざわざひとりの入居者さんが挨拶に来社して頂いた。有難いな~とついしみじみしてしまった。
引き渡しが間近に迫ったある日、当社で保管している鍵や各種書類を持参し、ご年配のご夫婦オーナーさん宅にお届けする。感謝の言葉をたくさん頂き、ついついお互い涙声になりそうになる。本当に最後の最後まで有難い話である。帰り道にマンションを改めて眺めた。私が結婚する際、当時完成間近だったマンションで最後の最後まで候補に挙がっていたな~とか補修の箇所や外壁のひび割れも懐かしい。またぽっかりと不自然な植え込みの空間は受水槽を撤去したからで、そのきっかけは震災後の計画停電対策だったよな~とかひとつひとつに色々な思い出が詰まっている。
新しいオーナーさんと管理会社さんが良い方々だといいのだけど・・・とただ祈るばかりである。
それじゃね、バイバイ