映画「ロック~わんこの島(2011年公開)」を観た。
【解説】フジテレビの情報番組「めざましテレビ」の人気コーナー「きょうのわんこ」で話題を呼んだ実話を基に、2000年8月の三宅島大噴火により離れ離れになった犬と飼い主一家のきずなをつづる感動作。1人の少年と1匹の犬の友情を通し、家族のあり方や現代社会に失われつつある心と心のつながりを、三宅島の雄大な大自然を舞台に描き出す。監督は、『冷静と情熱のあいだ』の中江功。キャストには「ROOKIES」シリーズの佐藤隆太、『カンゾー先生』の麻生久美子、ベテラン倍賞美津子ら実力派がそろう。
序盤から愛犬ロックが成長していく過程だけでついウルウルしてしまう・・・まったくもって「ずるい」作品である。島から避難する際に行方不明となったロックの安否がメインテーマとなると想像していた私は「三宅島で生き延びていた感動のラストシーン」を勝手に思い描いていたが、結構早い段階であっさりと発見される。それがただの愛犬と家族の繋がりだけを描いた作品ではなく、島からの避難生活とその現状についてもしっかりと描かれている。実際2000年の三宅島噴火の際に、ニュース映像で避難される島民の様子を観たが、実際にそれからの避難所での生活については考えた事も無かった。それは東日本大震災も同様である。いつか帰れるか分からない状況の避難所において、根を下ろすのか否かは切実な選択になるだろう。
劇中の台詞で、自然との戦いに直面した時、人間の武器はひとつ『落ち込まないこと』との台詞が何とも心に響いた。それは決して自然災害だけではないと思う。
ただ里親の心境についてまったく触れていない点が気になった。全体的にはそれで良かったと思われる内容であったが、里親への配慮が少し足りなかった気がする・・・と最後まで太ももに乗ったまま寝続けている「彼」の重さを感じつつ、やたら触れまくったまま映画は終わった。