先日静岡で初孫と初対面した後、娘夫婦が東京で用事があり、娘と孫と一緒に東京へ戻った。孫にとって東京初上陸である。それから四日間自宅で一緒に過ごしたのだが、リビングのフローリングには転倒防止の為にカーペットが敷き詰められ、「彼」は万が一のことがあったら大変と孫とは完全隔離される。帰宅すると孫と遊びつつ、隔離された「彼」の様子を伺う。孫の食事が済み、寝室に娘が寝かしつけに行くと同時に「彼」をリビングに連れ戻す生活が続いた。娘の奮闘ぶりを眺めながら、こんなにも大変だったっけ?と妻に確認したくなるが、子育てにほとんど参加していなかったのでやぶ蛇を恐れて口を閉じる。そして婿殿が上京して、三泊四日の生活が終わった。帰った日の夜、久しぶりの静寂の時間を過ごす。7年前とは明らかに異なる「こんな静かな夜」である。
先日大学生さんの親御さんが更新契約のために上京された際のこと。息子さんから来春地元で就職が決まったと聞いていたので、親御さんに「春が待ち遠しいですね」と訊ねると、お二人で顔を見合わせて「静かな時間に慣れてしまったので」と答えられた気持ちがほんの少しだけわかった気がした。