大通りを横切ると曲がり角にひっそりと「崇福寺(そうふくじ)」があった。
九州には国宝が5つあり、そのうち3つが長崎にあり、そのうちこの崇福寺だけで2つ(大雄宝殿・第一峰門)もある。「国宝の宝石箱だぁ~」と心の中で叫びながら門をくぐる。
階段を上ると最初の門である「第一峰門」がいきなり国宝である。 特徴は門上部にある複雑な組み方の軒裏でこれが国内はおろか中国でも珍しいらしく国宝のポイントとなっているそうだ。
そしてさらに階段を上ると二つ目の国宝である本殿「大雄宝殿」(だいゆうほうでん)が見えてくる。こちらは長崎に現存する最古の建物だそうで、特徴は軒回りの「擬宝珠付き垂花柱(ギボシツキスイカチュウ)」とのこと。歴史の重厚感に圧倒される。その他にも 国指定重要文化財、県や市指定の有形文化財らを10以上も持つ文化財の宝庫だそうだ。(ちなみにひとつは大浦天主堂で、この日の午後に見学したので一日で3箇所も国宝見物が出来た)
その後、崇福寺通りから寺町通りへ向かうと、大光寺、発心寺、大音寺・・・とお寺が商店街のように並んでいて、その先にある映画「解夏」でも登場した「興福寺」を参拝する。通称南京寺と呼ばれる雄大な朱色の山門により「あか寺」としても親しまれている。
劇中に登場する「百日紅(さるすべり)」の花を「こ、これだっけな~?」と自信なさげに確認するが、後で調べると劇中の百日紅は美術スタッフが用意したものとのこと・・・(今回参拝したふたつのお寺はまだ参拝時間前だったようで拝観料を支払う術が無く、その分多めにお賽銭を投げ入れた。)
それから朝の眼鏡橋を再確認する。ちゃんと「眼鏡」になっている。何とも美しい橋である。
開店準備を始めている商店街を抜け、1600年代に長崎奉行所により火事対策として作られた人工の川・ししとき川を横目に、ホテルに戻り朝食を食べ、いよいよ今回のメインイベントである「軍艦島ツアー」へ出発である。