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ニューギニア島アルファック・トリバネチョウ採集記
~西パプア(旧:西イリアン)・トリバネ事情~
その四
中川忠則
2014年10月13日~14日(アルファック・Maibri村)
2日目からは、アルファック山塊、海抜1,500メートル地点のマイブリ村のトリバネチョウのポイントに通った。
ポイントへは毎回、ガイドと標本商のJ氏が案内してくれるのであるが、4輪駆動車で約2時間の道のり、驚くほどの急坂と悪路に次ぐ悪路、川をも走破して向かう。
途中、有名な河原のポイントがあるが、早朝のため日が差しておらず、蝶の姿は見られないのでスルー。
トリバネチョウのポイントは主に、J氏が所有する飼育ケージの周囲で、ゴライアス(O,goliath)、パラディシア(O,paradisea)、チトヌス(O,tithonus)、プリアムス(O,priamus)が姿を現す。
特に、敷地内の小高い広場が有名で、メンバーの複数の赤い網とJ氏が用意してくれた赤いシーツがたなびくことから、筆者らは、ここを「赤の広場?」と呼んだ。
広場でスタンバイした直後、突然チトヌスの雄が頭上を飛び去った。
「ここにトリバネが居るんだ」と独り言、にわかにこころがざわめいた。
しかし、広場でのトリバネ採集は厳しい。
一定方向から飛んで来るトリバネチョウめがけてメンバーが待機するので、「せめて飛ぶ姿が鑑賞できれば良い」などと悠長なこと言っていると、到底網にすることはできないのである。
案の定、2日目と3日目は、ゴライアス、チトヌス、プリアムスの破損した雌のみの採集成果となってしまった。
プリアムス♂の羽化。
プリアムストリバネ♀。
広場周辺は低地帯に比べ、いわゆる雑蝶が少ないので、トリバネのみ狙っていると全く成果は上がらない。
ここには、美しいヒメジャノメチョウの仲間と赤いハレギチョウが飛んで来ては慰めてくれるが、時折、銀色に輝き、不規則に飛んでくるデリアスは、狙いを定めて網を振るも、ほとんど振
り逃がしてしまった。
マノクワリの食事について
ホテルでの朝食は、スラウェシ島トラジャ出身のスタッフが、トースト、卵焼き、果物、そして本場トラジャ・コーヒーをサービスしてくれた。
山での昼食は、飼育マイブリ村のJ氏別宅で、調理担当の女性スタッフ手作りのナシゴレン又はミーゴレンに、味の付いた鶏と目玉焼きを添えて提供された。
夕食は、毎回、ガイドの送迎により街に繰り出し、食堂又はレストランでの食事となった。
マノクワリの料理は、最初に決まって溶き卵のスープが出てきて、メイン料理は鶏・魚介の煮込みや揚げ物のあんかけ。
いずれも中華料理風でなかなか美味しい。飲酒は、マノクワリの人々は禁じられているが、旅行者は問題ない。明日の成果を祈って、ビールで乾杯。
この項、続く。
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