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ニューギニア島アルファック・トリバネチョウ採集記
~西パプア(旧:西イリアン)・トリバネ事情~
その六
中川忠則
2014年10月16日(アルファックMaibri村)
アルファックでの最終日、やはり飼育ケージの周辺で採集するほかなかった。
山の天気もこの日ばかりはガスが出て、トリバネチョウの飛ぶ気配がしないので、私は戦線を離脱してデリアスを狙うことにした。
デリアスは、頻回に飛来してくるものの、素早くて空振りの連続であった。
それでも、下山までの残り時間の約1時間、やっとのことで採集できた9頭中7頭が別種、その奥深さを感じ取ることができた。
一方、飼育ケージ内では、各種雌が飛び交っており手元で観察できた。
しかし、飼育ケージは厳重に管理され、いつでも拝観できるものではない。
今回、撮影目的のメンバーが、事前に羽化の時間帯を希望していたが、スケジュール優先のためか、なかなか希望には添ってもらえなかった。
ケージ内の雌は、日が差すと飛び回って、外側からも見ることが出来たが、雄の吸蜜のタイミングは微妙で、その優雅な飛翔に出会えた時間はほんのわずかであった。
チトヌストリバネ♀。
ゴライアストリバネ♂。
ゴライアストリバネ♂。
そして終盤、そろそろ山を下りる時間となったその時である。
皆、網を片付け始めた時、広場の下方から、山仕事から戻って来た村人の大きな歓声が聞こえた。
すると突然ゴライアスらしき雌が悠々と飛んでくるではないか。さらに、それを追飛するパラディシアの雄までもが向かってくる。
それこそ、大勢のギャラリーの中、最前列精鋭メンバーの総力戦となった。
しかし、惜しくもパラディシアはスルリと交わして飛び去り、メンバーとギャラリー全員の落胆の声が漏れた。
それでも、今回、皆が初めて、パラディシアの飛翔を見ることができたのである。
まさに、「赤の広場パラディシア舞う」が如し、胸躍る瞬間であった。
ゴクラクトリバネ♀。
メニ村昆虫採集専用ロッジ分譲の“お知らせ”
アルファック・マイブリ村の途中、トリバネチョウ採集で有名なメニ村には、昆虫採集者専用のロッジがあり、シャワーも完備しているとのこと。
かつて、同ロッジを利用したツアーもあったと聞いているが、現在、同施設のオーナーは国外に転居しており、物件は閉鎖され売りに出されている。
サイテスの権利付きで、日本円で3千万円とか。お買い得かどうかはわからないが、昆虫採集ツアーの客相手の経営となると厳しいかもしれない。
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