梅雨明けとなったこの日、知人が出展されている現代書道展『第25回 白峰社役員書展』を観に銀座の展示会場へ出かけてきたが、銀座の柳にお目にかかるのも久しぶりでした。
「白峰社展」には、毎回案内をいただいて拝見しているが、今回は71名の白峰社の指導的立場の先生方による「白峰社役員書展」で、いつもの事ながらどの作品を見ても、圧倒される繊細で迫力ある作品ばかり。
会場に入ると顔なじみの先生方のお迎えをいただいたが、広い会場には多くの入場者が見えており、和やかな雰囲気が漂っていた。
『書』の道、書道といっても非常に幅が実に広く様々な流派もあるそうですが、最近は現代アートとも言える現代書を観る機会が多い。
現代書では、同じ文字を描くにも、線の太さやかすれ、流れなど本当に奥が深いものがあり、「線のアート」と言われているようで、実に個性豊かに表現されており、中にはこれは書?ではなく画ではないのだろうかと思うほどである。
また、現代書には、その詩の選択が大きな要素になっているが、今回も注目して拝見してみると、古代の詩や作家の文を引用も多い中で、東日本大地震の被害を想った「言葉」や「新聞のコピー詩」が多かったようだ。
一例では、「激震」・「間一髪 地響きを立て激しい揺れ・・・・」・「」余震続く瓦礫の街を若き父と・・・」・「祈り 明けない夜は無い・・・」など、作者の気持ちが伝わっていた。
中でも最も感動したのは、『星になったママへ 真ん中で一番綺麗な星がママ 抱っこされて夜空のキラキラお星になって・・・一緒に街を見たいな・・・』 と、ママを無くした兄弟がママを想う気持ちが紹介された新聞記事を書かれたそうで、しばし「書」に吸いつけられて涙していた。
書の文字の形や流れの美しさのみならず、詩の訴える心を描くアートに、日本の伝統的で実に奥深さを感じていた。
先生方といろいろ書談義を聞かせてもらい、会場をあとにして久しぶりに歩行者天国だった中央通りを銀ブラしてみた。
銀座通りのシンボルの「和光服部時計台」も、最近リニューアルされて「SEIKO」の文字が光っていたが、和光店内もSEIKO販売コーナーが一階に新設されて、生まれ変わったようなイメチェンが行われていた。