13日放送されたNHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』を見て、主役の診療所の医師の生き方に感動した。
地域医療のあり方については、以前より多くの問題が提示されて議論され、公立医療機関での医師不足や経営困難などで医療のあり方が社会問題となっている。
そんな中での過疎地区における地域医療について、鏡を見たような思いである。
放送された「名田庄村」は、我がふるさと県の西はずれにあり、過って出かけたこともあり大変美しい村である。
あのミュージシャンでもあり、アスリートでもある「高石ともや」の出身地でもある。
名田庄村の診療所の所長の中村医師が地域医療に取り組まれている、医師としての考え方や生き方を聞いて、本当に感動しました。
まさに、医師としてのプロフェッショナルであり、鏡ではないだろうか?
師は医大を卒業後、人口約3,000人の当地に唯一人の医師として赴任し、もがき続けた17年の経験から「病ではなく、人を診る」ことに徹して、今日も診療に当っておられるそうだ。
番組で紹介された内容から、その考え方・生き方に感動した幾つかを紹介してみたい。
当初は、外科専門医師を目指して来られたが、3年目のある日、くも膜下出血の患者さんを見抜けなかったときに、患者家族から「誰にでもあること、お互い様だ・・」と勇気付けられて、この村の人々から心の広さを教えられたそうだ。
その時に、『お互い様の文化』として、医者と患者が向き合うのではなく、患者の人生に寄り添ってこそ真の医療が出来ると意気に感じられたそうだ。
師は、村の風土や住民の殆どの人と顔なじみで、人と人として繋がっていて、患者の人生そのものを熟知されているそうだ。
患者さんからは、『神様・仏様・中村先生』のような存在なのだろうか?
患者の皆さんからは、「中村先生しか考えられない」と、先生との会話の際には、合掌して笑顔で話しかけておられた。
訪問介護でも、家族同様に診察されている姿に、地域医療の基本形を見た。
師は、「人に対する優しさを患者さんから教えられた。患者がテキストを超えた先生である」と言われていたが、共鳴した。
このような地域医療体制を築くには、行政の協力は欠かせないないと思うが、自らも専門外の医療の勉強やケアマネの資格をとり、長年にわたって保健師や介護スタッフなどのシステム作りにご苦労されたそうだ。
末期患者が、「再期まで家におられて幸せな人生だった」と言われていたが、正に地域医療の原点を見た思いがした。
亡くなられた患者さんの電子カルテを書き込んでから、カルテに向って合掌される師の姿をみて、感動する場面もあった。
番組の終わり頃には、一緒に見ていた家族が、口数少なく目に涙していた。
今日も、名田庄村の中村先生の「心の診療」が続いている。
さて、大根おろし、名田庄村の名医などについて興味深く読みました。さらに詳しく知りたくNHKのHPで更なる情報を得ました。参考になりありがとうございました。