「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「晩秋の風が」

2011年11月02日 | ニュース・世相

       

時折蒸し暑い日があったり、暖房が欲しくなる冷え込みがあったり、掴みにくい晩秋の日和。まさに季節の変わり目、体調を崩しやすい厄介な時季である。

秋風が身に沁みる、などというとその後に続くのはあまりいい話ではないのが通り相場である。ふと思いつく写真がこのような、落ち目の一途を辿る枯れススキであるのも偶然ではない気がする。どこか気持ちの片隅に、切ない思いが宿っているのであろう。

長年勤めてきた我が社が、ついに大幅な人員削減に踏み切った。理由は色々ある。
3.11東日本大震災による東の主力工場の大打撃。壊滅状態から復旧さえ危ぶまれたが、なんとか一部操業再開にこぎつけた。
プロ野球楽天イーグルスの本拠地球場を「OOクリネックススタジアム宮城」という命名権を取得したのは昨年暮れこと。来シーズンは恐らく手放すことになるのであろうが、そんな宣伝効果を期待する以前の経営立て直し策としての人員削減。

西の主力工場である岩国工場も、相応な人数の希望退職者を募集している。
受付開始が昨日11月1日からである。今は他人事ではあるが、長年苦楽を共にしてきた仲間が対象になっている事を思えば、晩秋の風が身に沁みる。

そんな中でも「長年世話になった会社に恩返しをするつもりで、今回の希望退職に手を挙げる・・・」そんな一人の後輩がいることに、なんか救われる思いがしている。
会社を愛し、仕事を愛し、同僚はもちろん上司にも可愛がられた幸せな会社人生を全うした。実際には後3年あるとのことだが、「今が潮時」という爽やかな割り切りは、他の人たちに見せたいくらいである。途中退職など考えもせずここまできたのだろうに、会社に対する恨みつらみなど一切なし。むしろ爽やかに身を引き、これからの生き方に胸躍らせるいさぎよさ。見上げたものである。

果たして何人の後輩達が手を挙げるのだろう。
ただ、去っていく脚で砂をかけて行くようなことはしないで欲しい。
無理な注文であることは承知しているが、人生まだ長い。
前を向いて生きていくためにも、「感謝」のひとかけらを大切にしてくれると有り難い。

コメント (10)
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