大花火大会の模様 (ネット拝借)
❝ 言うまいと思えど今日の厚さかな ❞
❝ 念力がゆるめば死ぬる暑さかな ❞
暑さを表現する言い回しは色々あるが、我が頭の中に強く残っているのがこの二つであろうか。
兎に角暑い。言っても仕方ないと分かっちゃいてもやっぱり言ってしまう、暑いね~と。
そんな暑さの中でも我慢して、夏の風物詩の代表格である「花火大会」を求めて、あちらこちら出かけた過去もある。
この頃では、近くの花火大会でさえ段々出かける意欲が薄れている。孫さんが「連れて行って、じいちゃん」などと言ってくれば重い腰も軽く上がるというものだが。我が住む町にも5月の中規模花火大会と、8月初旬には「錦川水の祭典」という一大イベントがあって、そのメインとなるのが「錦帯橋花火大会」であった。
一昨年・昨年は2年連続で花火大会は中止した。新型コロナ感染対策で、不特定多数を集めることを避けるという大義名分によって中止となった。今年に至っては、コロナ対策が直接的な原因ではなく「大勢の人が一度に押し寄せると警備体制を完璧に果たせない」という理由で中止となった。今年の場合は中止というより、花火大会そのものが終わりを告げたということである。コロナ禍による景気の落ち込みでスポンサー企業の激減や賛助金の落ち込みなど、必要経費が十分に賄えない、という小都市ゆえの苦悩の選択という図式である。これも致し方ない。コロナ自体も完全に終息したなどとは全く感じられない現実がある。
そんなことはよ~く理解していても、重い腰を上げにくくなってはいても、年に一度の我が町最大のイベントが消えてゆくのは寂しい限りである。
花火大会になる前の「錦帯橋、近県盆踊り大会」の時代は、青春のど真ん中で揃いの浴衣で晴れ舞台に立った思い出がある。花火大会に変わってからは、それはまたそれなりの思い出が詰まっている一大イベントである。過ぎ行く年の長さと時代の変遷を痛く感じる今年の夏の暑さである。