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畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

またまた昔々の話です(その3終わり)

2017-03-05 20:27:39 | 暮らし

 またまた昔々の話です(その3終わり)

 

  そして、その後の話


 近付くと小屋の中から、一人の女性が顔を覗かせた。挨拶をすると、人懐こく話しかけてくれた。

ご主人とお二人で、小屋に泊まり続けてゼンマイ採りを続けている。

 

ご主人が採るゼンマイを「かまど」に掛けた大鍋で茹でて干しては揉んで仕上げているのだ。

 土曜日になると、小学生の子供達が、峰を越えて遊びに来る事等を嬉しそうに話す。

 

 やがて、沢の奥から「ホーイ、ホーイ」と呼ぶ声が近付いて来た。女性の顔が輝く。

「帰って来た」と嬉しそうに言う。

 

御主人は背中に沢山のゼンマイを背負い、カチリ、カチリと足音を立てながら歩いてくる。

「金カンジキ」と呼ぶ、鉄製の金具を足袋の上に履くワラジに付けているからだ。

 

 二人とも、邪気のない笑顔で話しかける。私の祖母の実家があるから来ていて、

当然その家も分かると言う。

 

 こんな山奥の、粗末な小屋でも、話の種にはなるだろう。入ってお茶でも、と勧められた。

しかし、ずぶ濡れの下半身では、入る事はかなわない。入り口で熱いお茶を頂き、別れを告げた。

暖かい林道の両側の、こぶしの花などの景色を眺めながら帰途を急いだ。

やはり祖母の話した川に間違い無かった事を確信しながら。

               (終わり)

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大正時代のご馳走品書き

2017-03-05 05:52:59 | 食べ物

 

 古い、芝居の台本、教科書のほかに、古くからの仏事関係の記録も見つけた。

三十三回忌が行われた日時から考え、明治13年に亡くなった曽祖父の父の仏事だと思われる。

  施主の名前が祖父の名前であることから容易に想像できます。

また、古い受納帳も残っているから、時間を見つけて調べてみましょう。

 

 お客様手持ちの内容はもちろんのこと、その日に準備されたご馳走の内容まで記載されている。

これは、ひとえに先祖の律義さの故と思う。他人に御呼ばれした際に失礼の無いようにとの考えから。

  次の写真にありますが、見事なまでに感じられる精進料理です。

葬式のお斎に平気で刺身さえ付ける現代とでは時代の流れ、変化を思ってしまう。

 

  そして、使われている材料に仏事が行われた10月、秋の特徴も感じます。

一の膳に続いて、二の膳も精進料理尽くしでキノコも繰り返し出てくるけれど種類は何だったのかな。

 

 驚くことに翌朝の品書きもあります。赤飯を炊いていますね。

庶民には徒歩しか交通手段がなかった時代で、泊りがけのお客様が多かったと言う事でしょう。

 7人ものお客様が泊まられ、地名から今は途絶えた親戚関係も見えます。

八十八母は少し疑問だけれど、人名か屋号で「やそはち」と読ませるのかな。

 こんな手慰みの仕事から興味を覚え、過去帳なども引っ張り出して家系図的に纏め始めた。

先祖や家系に興味を感じるなんて、いよいよスベルべも老境に入ってきたのかなー(笑)。

 

コメント (4)
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