この山の独活はアク(エグミ)が弱いとは言っても、剥いて触ると手が黒くなってしまう。
そこで、軍手着用で皮むきをするが、油断してジーンズの腿辺りを黒く染めてしまった。
ほら、こんな風に皮を剥くと真っ白になりますよ。
ついでに採ったゼンマイも、ムシロ一枚に広げられるほどの量でした。
左に剥いた皮がありますが、(その1)でもお話したように刻んで「佃煮」にして食べられます。
それだって、お酒のつまみになるから、山独活って本当に有効な山菜ですね。
数本ずつ束ね、輪ゴムで止めます。
輪ゴムをきつく巻いていても、塩分で水分が抜け細くなって丁度よくなります。
皮を剥きながら、先端に近い柔らかな葉は取って置きます。
これを天婦羅にすると、薫り高くて山菜の王様と呼ばれる「タラの芽」よりも美味しいほど。
独活の束の第一号を漬物樽に収めました。
こうして、何束も積み重ね、たっぷりの塩をして中蓋をして漬物石を載せます。
若くて元気が良かったころは、いや、父が畑をしてくれていて時間が取れたことも有り、この桶に一杯の独活を付けた。
漬物樽一杯に詰めると、徐々に水分が抜け、漬物石が沈んで漬け汁が外にこぼれだすことが有ったほど。
全部を食べた記憶も無く、喜んでくださる方々に進呈していたのでしょう。
山菜の塩漬けは、味が落ちると言うけれど、独活に限っては塩漬けの方が生よりも良いと言う人さえいます。
(終わり)