山での遭難(一部抜粋)
急いで現地対策本部に行くと、地区の町内会長、警察署の副署長、
消防署の副署長を始め多数の人達が詰めています。私は大きな声で名乗り、迷惑をかけていることを詫びた。
着いて十数分たった八時過ぎ、ヘリから県警本部に報告する無線が傍受された。
「八時二分遭難者発見。無事の様子。」全員からどよめくような喜びの声が上がった。
「おい、生きていたぞ、無事だぞ、良かったなー。」その場全員の喜びの様子に私も目頭が熱くなった。
その後収容作業を終えたヘリは、市営運動公園に着陸し当人は近隣の総合病院に運ばれた。
現地から警察署に行き、署員に先ずお礼を申し上げ、病院に急いだ。病院の救急治療室に恐る恐る入ると、
気配に気付き私の方を見た。「無事で良かったなー」と声をかけると、
擦り傷と血行不足で青黒くなった手足の治療を受けながらポツリポツリと状況を語った。
下山途中に二回、道を間違え一回目は元の道に帰れたのだが、
二回目は最悪で残雪の残る沢に迷い込んでしまった。
そこで濡れた着衣を着替えたのだが悪いことは重なり、大切なリュックを取りに行けない下方に落としてしまったのだ。
しかし、そこから沈着に無理な行動を取らなかったことが生還につながった。
斜面の大きな木に腰かけ雨の降り続く夜を過ごしたと言う。名前を呼びながら飛行するヘリコプターを見て、
助かったと思い、手を振ったが中々見つけて貰えずもどかしい思いをしたそうだ。
前にアップした文章の一部です。
連休中に新潟県五頭連峰に登ったと思われる親子の消息が途切れて一週間以上が過ぎた。
登山経験も少なく、途中立ち寄ったコンビニの防犯カメラでとらえられた二人の服装も全く軽装。
この時期の1000メートル級の越後の山は積雪が残っていて危険なのです。
残雪上に残る足跡を頼りにしても、全くあてにはならないのです。
親子の無事を祈るばかりですが、あの軽装で何日かあった低温の日を乗り越えられたとはとても思えない。
一日でも早く発見されることを祈りますが、連休ゴールデンウイークでも雪が降ることも有るのが山なのです。