鮭のアラ煮(その1)
「鮭のアラ煮」と言うよりも、「大根のアラ煮」と言った方が適切かもしれない。
何せ、大根を美味しく食べるための工夫なのだから。
秋と言うよりも初冬の表現が似会うような寒い季節になると、大根もその美味しさを増してくる。
家族の「えー、またー」なんて言葉は気にせずに、店で美味しそうな鮭のアラを買ってきて、
せっせとアラ煮に励むのが冬の私だ。
稀には「天然ブリ」の表示に釣られて買い求め、世間的にはこちらの方が知られている「ブリ大根」を作る事も稀にある。
さて、普通は鮭のアラは生のものでは無くて、塩挽きの切り落とし。
中骨だけのパックも見受けられるが、やはり頭が無かったら情緒に欠ける事甚だしい。
でも、この塩挽きの鮭の難しい所は塩分の具合だ。今は低塩志向で塩味の薄いものも有るから。
そこで、先ずは二つ割りにされ、中に塩が沢山見える頭はせっせと内側をたわしで水洗いする。
下準備を終えたアラは圧力鍋に入れ火に掛ける。
加熱する時間は圧力鍋の口金から勢いよく湯気が噴き出し始めてから45分と言うのが私流。
そして、鮭を火に掛けたら、次は主役とも言える大根の準備を始める。
皮引きで万遍無く引くと面白いように長く皮は剥ける。
これを輪切りにするのだが、輪切りの厚さにも一家言を持っている。
(続く)