夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

山本一力著「いっぽん桜」新潮文庫

2006-12-11 19:01:37 | 本と雑誌

山本一力著「いっぽん桜」新潮文庫
「いっぽん桜」深川門前町の口入屋「井筒屋」の頭取番頭として 意地も誇りもあった

店の主人が代替わりする事で 自分にもやめてくれ―と

納得いかず それでも新しい店へ勤めるが

つい前の店と比べる

そんな男の家近くで大水が出た時 案じて駆け付けてきれたのは― 植え替えられても 枝を伸ばし 花を咲かせる庭の桜の木に おのが生き方を重ねる

「萩ゆれて」母の病の薬代の為に罪を犯し 切腹した父 その父を嘲笑され 陰険な罠にかかり 体にも心も傷ついた若い侍は 療養先で漁師の一家と親しくなり 人間らしい生き方に気付く 身分よりも大切なものがある 誇り高い病身の母親も真の人間の誇り 幸福に気付く

「そこに、すいかずら」 火事にて両親を喪った娘は 父が作ってくれた豪華な雛人形を手放す決意をしたことで また生きていくことを 選択する 前に進むことを

紀国屋文佐衛門が いい人の役回りで出て来ます

「芒種のあさがお」 可愛がられて育った娘は 好きな相手の妻に

だが姑は口うるさく 舅はうちとけてくれない

婚家に馴染み必要とされるまでは 時間がかかるのだった

口数少ない舅は だが嫁を大切に思っていてくれたのだと あさがおの鉢が教えてくれる

難しい話は 評論家に任すとして 物語は面白いか そうでないか 心に残るか どうか

端的に言えば好きか嫌いか だと思う

読み終わった その本をまた手にとり 読み返してしまう

そんな力を持った作家さんです


米村圭伍著「紀文大尽舞」新潮文庫

2006-12-11 10:08:57 | 本と雑誌

米村圭伍著「紀文大尽舞」新潮文庫
紀国屋文佐衛門 隠居した彼の話が聞きたくて 戯作家になりたいお夢はおいかけるが 女に殺されかかる

そこを若侍に助けられるが―

紀国屋とは何者であったのか 隠された使命

吉宗はいかにして大名となり 将軍の座についたのか

「風流冷飯伝」「退屈姫君」シリーズより ひと世代前の物語

つ~ことは!お夢さんって

一八のおっかさんになるのでは?

さて物語としては 長すぎた―ような気がしないでもないです

3分の2あたりで ズバリ切っても良かったのではないかと

歴史は化け物 下手にいじくると 喰われてしまいます