その女は夜遅くに現れる
白く透き通った絹の肌 金色の瞳
豊潤な赤ワイン色の唇 極上の美女
噂の女見たさに深夜の客が増える
特製のカクテルを一杯だけ味わい 女は店を出ていく
釣られるように ふらふら追いかける男もいる
そうした男は 再び店に姿を現わすことはない
美女の接吻は死の誘い あまやかなくちづけは 命の流れを探る
彼女は見つめ 選び 微笑むだろう
一瞬の歓喜 永遠(とわ)の死
凍り付き沈黙する時間 夜の美女の唇ますます紅く つややかに輝き 新しき血を求める
噂の美女の姿見たさに また新しい客が店の扉を開く
店の者は美女の専用カクテルを作る
新鮮な血ベースのそれを