夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

「カクテルの名は・・・死への誘(いざな)い」

2006-12-27 00:45:39 | 自作の小説

その女は夜遅くに現れる

白く透き通った絹の肌 金色の瞳

豊潤な赤ワイン色の唇 極上の美女

噂の女見たさに深夜の客が増える

特製のカクテルを一杯だけ味わい 女は店を出ていく

釣られるように ふらふら追いかける男もいる

そうした男は 再び店に姿を現わすことはない

美女の接吻は死の誘い あまやかなくちづけは 命の流れを探る

彼女は見つめ 選び 微笑むだろう

一瞬の歓喜 永遠(とわ)の死

凍り付き沈黙する時間 夜の美女の唇ますます紅く つややかに輝き 新しき血を求める

噂の美女の姿見たさに また新しい客が店の扉を開く

店の者は美女の専用カクテルを作る

新鮮な血ベースのそれを


「死に焦がれつつ」

2006-12-27 00:18:39 | 自作の詩

一歩踏み出す勇気

前へ 明日へ

少しずつでも進めば 進んでいたら いつか目的地へ到着するのだ きっと

ただ 現在(いま)は すっかり疲れてしまい もう足が動かない

心臓も悲鳴をあげる

まだ 生きないといけないだろうか

私は いつまで人間のふりをすれば いいのだろう

貴方が死んでから 私という人間は 何処か壊れてしまった

貴方を愛していた 愛していた

そこに 存在し(い)てくれるだけで良かったのに

あれから長い永い時間が過ぎ 私の上に降り積もった

それでも心の芯が悲鳴をあげ続ける

どうして どうして

私を置いて死んだの

貴方にだけは 何があろうと生きていてほしかったのに

私は前へ進めない

過去へ過去へ 心は 死んだ貴方へ縛り付けられ

何処へも行けはしない

貴方という目的地を喪い 私の心は永遠に迷子のまま 彷徨い続ける