夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

平岩弓枝著「道長の冒険」新潮文庫

2006-12-08 21:43:07 | 本と雑誌

平岩弓枝著「道長の冒険」新潮文庫
「平安妖異伝」に続き 藤原道長が この世を音無く愛無きものにしようとする 無明王に立ち向かう

「西遊記」のように先々で妖かしと戦いつつ旅は続きます

平安朝ファンタジ―

人間の姿にもなる2匹の猫 火ねずみ

愉快な雷の兄弟

「御宿かわせみ」シリーズが最近では有名ですが 意欲的に色々な分野の作品を書かれる方だなと 半世紀ほども作家を続けてこられた 執筆力に 敬服 脱帽致します

素晴らしいです


北原亞以子著「脇役」新潮文庫

2006-12-08 17:35:27 | 本と雑誌

北原亞以子著「脇役」新潮文庫
慶次郎覚書シリーズ

「一枚看板」元同心 今は隠居して根岸で山口屋の寮番をしている慶次郎 若き日への追憶

「辰吉」慶次郎の養子 森口晃之助から十手を預かる辰吉は 事情ありの若い娘おぶんと所帯を持ちたいと思っているが 年の差や 相手の気持ちを考えすぎて・・・

「吉次」蝮と呼ばれ嫌われ者の岡っ引き 一緒に暮らしてる妹夫婦に子供ができたと聞き
向き合った己の心は!?

「佐七」根岸の寮番 慶次郎と暮らす佐七の若き日の夢 忘れがたい友人

「皐月」その家の娘は自害 許婚者の晃之助は 乞われて森口の家の養子となった

諦めていた相手との縁談話 皐月は全ての事情を納得して嫁いだ

それでも義理の義理 遠慮も越えられない壁も感じる

三千代様が生きていたら

つい比べ心の中に壁を作ってしまう

根岸の寮へ空き巣に入った女の話を聞くうち つい我が身に置き換えてしまい・・・

「太兵衛」十手持ちとなった今も心に影さす可愛がってくれた若くして自殺した姉の面影 事件を起こしそうではってた おふみは 付け火をしようとした

他の女を選んだ男が許せずに

子供が自分でなし女房だけに相談するのが 隠し事されるようで 面白くはなかったが―

「弥五」かつては若旦那だったが 色々あって 岡っ引き辰吉の下で働いている 事情が違えば 夫婦になっていた おみのと再会し 相談を受ける おみのは後家になっていた

彼は 相手を思い 女の心を受け入れない

「賢吾」 不惑を過ぎた同心は 身投げしようとした男の話を聞く

不惑になっても迷うのだ

粋に捌いて

立派な「南の島中」だと思うのだけれど

解説はNHKのドラマで吉次を演じる俳優 奥田瑛二さん 役作りに触れておられます