男女の愛は月のように満ち欠けするが 兄弟の愛は星のように変わらないー(アラブの格言より)
ボジョレー少佐の部隊はサハラ砂漠を越え ジンデルヌフ砦に着いた
砦には 生きた者の気配が感じられない
砦を囲む壁の上の人影は死体だった
銃を構え さも生きているように見せかけてある
ラッパ手のディグビー・ジェスト(ロバート・プレストン)が 壁を登り中へ入る
彼の目に留まったのはー
兄のボー(ゲーリー・クーパー)の死体だった
ディグビーが砦から出てこない為 他の人間がロープで壁登り 中へ入ると
安らかに死んでいる兵士ボーと 手紙持つ男の死体が目についた
手紙には
ここに告白する 青い水と呼ばれるサファイアをブランドン邸から盗んだのは わたしだ
とあった
何のことかわからないままに 先に入ったラッパ手を捜すが
見つからず
砦の扉を開け 見た死体について説明し 入ってきた仲間と調べに行くが
死体は2つとも無くなっていた
そんな話をしていると「アラブだ!」
アラブ兵が攻めてくる
彼らが出てきた砦からは火の手が上がり爆発音もした
分からないと言い合うボジョレー少佐の部隊
15年前の英国はブランドン・アッバス邸へと場面は変わる
子供達が戦争の真似ごとして遊んでいる
パトリシア・ブランドン夫人(ヘザー・サッチャー)が施設から引き取り養子にしたジェスト三兄弟
ボー ディグビー ジョン
夫人が後見人のイソベル・リヴァース
甥にあたるガシー
彼らが遊んでいると 夫人が通りかかりボジョレー大尉を紹介する
三兄弟は大きくなたら 大尉と同じ外人部隊に入るなどと話す
更に遊びで燃やした船の葬送から ボーは自分が死んだら こんなふうにしたい
足元には犬と
一方ボジョレー大尉は 夫人を心配していた
夫人の夫は金遣い荒く 邸に寄りつくのは 遊ぶ金を必要とする時だけだった
それでも青い水と呼ばれるサファイアだけは 夫も売ろうとしないーと夫人は話し
大尉は宝石を見せて貰えるかと尋ね 夫人は了承し 仕掛けある隠し場所へ案内する
青い水は 呪われている 持ち主に不幸をもたらすという噂ある宝石だった
別の日 部屋に置いてある鎧から アーサー王ごっこを思い立ち準備する子供達
ボーが鎧の中に入っていると 夫人と商人が近くへ来る
その時 鎧の中で ボーは聞いた話しを誰にも教えなかった
時は流れ 成長したジョン(レイ・ミランド)は 美しいイソベル(スーザン・ヘイワード)に恋していた
ボーとディグビーは武器持ち バタバタしている為 ガシーから「いつまで経っても子供のようだ」と嫌みを言われます
ブランドン家と血縁関係あるガシーにとって 三兄弟は目障りな邪魔者だったでしょう
ボーとディグビーは ネズミを退治しようとしていたのですが
結局 ずっと自分たちの部屋にいたネズミが可愛くなり ボーは「夜チーズを持っていくよ」
彼らはネズミも殺せない 心優しい青年なのでした
そんな彼らが聞いたのは 夫人の夫が 青い水を売る為に邸に来るという話
考え深げに ボーは言います
「売る前に見せてもらえませんか?」
夫人は隠し場所から宝石を取り出してきて箱を開けて間もなく 明かりが消え 真っ暗になります
明かりがつくと 青い水は消えていました
気を悪くした夫人は 朝になったら警察を呼ぶ
それまでに戻すように言います
ディグビーはガシーを疑いますが 彼は持っていませんでした
ボーは 朝になったら出てくるさと言います
三兄弟は部屋に引き上げます
朝 ボーが盗んだのは自分だと手紙を残し いなくなっていました
間もなくディグビーも自分が盗んだと手紙を残しいなくなります
ジョンもイソベルに愛を告げ 邸を出て兄弟の後を追う
ジョン「ずっと君を愛してた」
イソベル「待つわ」
ジョンはサイダ外人部隊 砂漠の訓練所で兄弟に再会する
そこではマーコフ軍曹(ブライアン・ドンレヴィ)が厳しく悪辣に兵士たちに接していた
「半数は訓練で死ぬだろうが 残りは兵士になる 保証しよう」
人間性に問題あり 任地のシベリアから放逐されたのだと 軍曹と同郷のラジノフ(J・キャロル・ネィッシュ)は話す
士官は 軍曹に注意するのだが
ラジノフは兄弟が宝石泥棒と呼び合うのを聞き 彼らの話を盗み聞いて 彼らが高価な宝石を持っていると信じ 盗もうとして捕まり 軍曹に話すのでした
軍曹は兄弟を引き離すことを考え
ディグビーをトコツ砦へ派遣します
軍曹はボーとジョンをジンデルヌフ砦へ一緒に連れて行きました
砦の指揮官の中尉は熱病に倒れ弱り死にかけています
兵士たちも病に倒れる者が多くいました
脱走する者もいますが
獰猛なアラブ兵士もおり 砦の外もひどく危険でした
実質 砦の指揮官として兵士たちをいたぶる軍曹は 中尉の死により ますます悪辣さを剥き出しにします
過酷な状況に耐えかね シュワルツは反乱を言い出し 盛り上がります
軍曹の豚を殺すのだ
外人部隊に入隊する時 はためく軍旗に忠誠の誓いを立てたというボーは 反乱には参加しないと言います
反乱者の中に裏切り者がいて 軍曹に知らせに走り 軍曹が先手を打ちます
軍曹はボーとジョンに反乱の首謀者を射殺させようとしますが ボーは拒否し 軍曹から撃たれそうになります
ボーが高価な宝石持つと考える軍曹は 殺したくてたまらないのです
野心家の軍曹の勝手な夢は 軍隊で出世し将校になること どんな悪いことをしても金持ちになること
そこへアラブ兵士達が攻撃してきて
砦の中は内輪もめどころではなくなります
軍曹は死体にも兵士の義務を果たさせると壁に死体置き銃置いて 狙っているように見せかけます
砦の中の兵士達は 数に勝るアラブ兵士達に撃たれ どんどん死んでいきます
とうとう残りは12名になりました
軍曹は彼らに笑えと言います
7人で70人ぶんの笑い声を立てるのだ
数が多くいると見せかける為に移動しながら撃てと
笑っている間に 塔の上にいたラジノフ
撃たれ落下し死にます
休憩の時 ボーは自分が死んだら夫人に手紙と包みを届けてほしいと言います
ボーが撃たれ倒れました
軍曹はジョンに「ワインを取ってこい 自分は司令官だ」と ボーから引き離します
ジョンが戻ると 軍曹は包みと手紙を持っていました
ジョン「ボーに触るなと言ったろ」
激昂するジョンを 軍曹は撃とうとします
まだ死んでいなかったボーが動き
死んで倒れたのは軍曹でした
苦しい息の下から ボーは言います
手紙を軍曹に持たせるんだ
包みと夫人宛ての手紙を届けてくれ
いいな エジプトへ行くんだ
外人部隊のラッパの音が聞こえてくる
ボー「いい響きだ だが少し遅かった」
ジョン 砦を去る
入れ替わるようにボジョレー少佐の部隊のディグビー
砦に入り ボーの死体に目を留めた
ジョンを探していたら 部隊の上官が入ってくる
ディグビー 死体のふりをし やり過ごす
ボーの死体を運び寝台に置く
足元の犬の代わりに軍曹の死体を置いて
ヴァイキング式葬送
子供時代にボーが願った弔いに近づける
ボーの遺体も砦も燃える
砦を出ようとしてディグビー 砂漠にいるジョンに気づく
兄弟は 軍で仲間だった二人と合流し4人で砂漠を行くが
アラブ兵士達に対し こちらの数が多いと見せかける為 離れた場所からディグビー ラッパを吹く
計略は成功するも ディグビーは撃たれて死んだ
三銃士だと 外人部隊での再会を喜んだのも今は遠い日
ジョンはただ一人生き残り
英国へ帰る
ブランドン邸へと
イソベルは勿論独身だとジョンに答えた執事は ボーとディグビーの死を知ると ひどく悲しい表情になり肩を落として階段を上がり夫人を呼びに行く
イソベルとジョンは再会を喜び 互いの愛を確認する
階段を下りてきた夫人にジョンは 兄弟達の死を伝え ボーからの預かり物を渡す
その手紙には
少年の日 鎧の中で知ったことが書かれていた
夫人が青い水を手放し模造品を作らせたこと
夫人の夫が宝石を見る為 邸に来たら売ろうとしたら それがばれてしまう
ボーは夫人を守る為 自分に出来ることをした
幼い日 自分達兄弟を三人揃って引き取り 愛情持ち育ててくれた夫人の為に
何の言い訳もしないで
「ボージェストには 美しい行いの意味があるの
ふさわしい名前ね」と涙ながらに夫人
そして映画は終わります
ボーの少年時代を演じたのは ドナルド・オコーナー
原作者はイギリスの作家パーシヴァル・クリストファー・レン
夫人への手紙は
愛を込めて ボー・ジェスト
で結んでありました
イソベル役のハリウッド第一の美女と呼ばれたというスーザン・ヘイワード
本当に本当に 目が覚めるように美しいです
冒頭から続いた謎が全てとけ 美しいラストを迎える映画です
何故 彼は そうしたのか
そうする必要があったのか